ぎりぎりで逆転し、相手をやりこめる…
これ、池井戸作品おなじみのパターンで、今回の帝国重工の信用調査も、
どうせ、殿村(立川談春)が間に合って、大丈夫なんでしょう?と、あまりの既視感にドキドキもしませんでした。
TBS 日曜21時
「下町ロケット」第3話
主演…阿部寛
脚本…丑尾健太郎
演出…田中健太
今回のドラマって敵役が分散しているのもあまり盛り上がりに欠ける理由かもしれませんね。
ギアゴーストを特許侵害で訴えて苦しめているケーマシナリーの知財部長(内場勝則)とそれに知恵をつけ佃を苦しめようと画策する顧問弁護士の中川(池畑慎之介)。
帝国重工の反社長派で、ロケット事業の足を引っ張ろうとする的場(神田正輝)と、その側近の製造部長(福澤朗)。
佃のライバル企業として立ちはだかるダイダロスの重田社長(古舘伊知郎)。
更に初回にはコンペで佃と競う大手の大森バルブの営業部長(六角精児)や、ダイダロスに佃から取引を替えた農機具メーカーのヤマタニ製作所の調達部長(坪倉由幸)も登場しました。
これだけいろいろ出てくると、誰に立ち向かう話なのか?ぼやけてしまいますよね。
「半沢直樹」は香川照之を土下座させる話だったし、「陸王」はピエール瀧を悔しがらせる話でした。
シンプルでしたよね、そこが。
今回はそこが絞れていないのが良くないと思います。
悪玉が神田、池畑以外は小粒というか、役者以外が多すぎるのもネックですね。
そんな中、今回の帝国重工の威光をかさにきて、佃をやりこめるべく信用調査をする古坂大魔王は、なかなか憎々しくて良い敵役ぶりでした。
ただ、冒頭書いた通り、どうせ逆にやりこめられて終わりだろうと思ったら案の定でした。
ウチのバルブ使わなくて良いんですかって開き直られたらアウトって、随分佃も立場が強くなったもんですね。
痛快シーンがそれほどでもなかった分、役者さんの素が出ているような田植えシーンが、映像も美しく新鮮でした。
梨園のサラブレッドオーラを隠しようのない伊丹役の尾上菊之助が、おずおずと田んぼに入っていく姿がやけに印象的でした。
今回の評価は…