普通のドラマスタッフは、主役をそれなりの役者に見せる
優れたドラマスタッフは、主役を更に良い役者に見せる
何か格言めいたことから入りましたが、同じ山下智久という役者を使っていても、前回と今回には雲泥の差があります。
それは山下智久の良さを引き出した脚本、演出の力によるところが大きいのです。
TBS 金曜22時
「インハンド」第5話
主演…山下智久
脚本…吉田康弘
演出…平野俊一
今回はこれまで小出しにされてきた紐倉(山下智久)の過去、助手だった入谷(松下優也)を死に追い込んだのは紐倉だったのか?アメリカ陸軍と何があったのか?消えた村とは?
そのへんのことがすべて明かされ、おまけに紐倉が右手を失った理由も分かりました。
そして、これほどの重いエピソードは最終回近くにやれば良いのにと前回の記事で書いてしまいましたが、
中盤にやって紐倉と高家(濱田岳)の絆を深めるためにも、重要であることがよく分かりました。
あまりネタバレになるといけませんので詳しくは書きませんが、幻肢痛に悩み、最後に入谷が言った言葉が思い出せない紐倉が、
入谷の言葉を、遺されたノートにより思い出し涙するシーンに集約されていく今回の脚本の構成力は見事でしたね。
「感情の奴隷になるな」が口癖の紐倉だからこその、涙の重さ…
山下智久、渾身の演技でした。
紐倉と新たな紐倉の助手、高家に託された入谷の思いに感動しましたね。
ウルッとしました。
入谷を演じた松下優也も良かったですね。
大陽のように明るい笑顔が仏頂面の紐倉と好対照で、良いコンビネーションでした。
時任三郎演じる福山が善人か悪人か分からぬまま終わりましたが、また終盤に登場するんでしょうね。楽しみです。
今回の評価は…