息子を自殺に至らしめる一端は自分にもあるというのを、自覚しなかった毒親の愚かで哀れな所業に考えさせられました。
フジテレビ 月曜21時
「シャーロック」第5話
主演…ディーン・フジオカ
脚本…井上由美子
演出…永山耕三
獅子雄(ディーン・フジオカ)や若宮(岩田剛典)も話してましたが、女性の考えることは謎なところはありますね。
理屈っぽい男性の考えからなら、自分の息子を死に追いやったパワハラ上司(永井大)の、パワハラ録音があるなら、それを活かして相手に社会的ダメージを与える術を考えれば良いのに…ってことになるんでしょうが…
息子を盲目的に可愛がってきた母親はそうはいかない。理屈を超えた行動に走ったってことになるんでしょう。
寝室と浴室に血をばらまいて、その間にはまかないとか、ずさんなところもあるのは、いきあたりばったりな感じもして、不思議に思えました。
パワハラ上司への母親の復讐という単純な話に終わらせず、実は母親も息子に期待しすぎて、息子を苦しめていたってひとひねりした話にしたところがベテラン脚本家、井上由美子ならではでした。
とかく、女性脚本家は女性をシビアな眼で見て描きがちですよね。
パワハラ上司や息苦しい家庭から逃避して別の部屋を借りてる父親(小市慢太郎)へは甘いなと感じました。
特に父親の権力をかさに着てパワハラしまくりの上司がイマイチ懲らしめられないのは不満でした。
かつて爽やかキャラだった永井大は最近は敵役が多くなりましたね。振りきって演じていて悪くないです。
あと、今回は精神科医の若宮にもっと活躍の場があっても良かったですね。
獅子雄がクールなので、若宮は感情をもっとはっきり出す差別化が中途半端な気がします。
二人ともクールでいくなら、もっとクールに突き放したシビアさが欲しいし、まだそこが作品的に定まってないようです。
色彩のトーンが寒色系で、クールかつスタイリッシュなだけに惜しいです。
今回の評価は…