とかく悲劇より喜劇は軽んじられがちですが、コミカルな演技の方が実は難しいわけで、このドラマが面白いのは、力量のある役者たちが真面目にふざけているからこそなんです。
今回は特にそれがよく分かる回でした。
日本テレビ 日曜22時30分
「極主夫道」第9話
主演…玉木宏
脚本…宇田学
演出…瑠東東一郎
毎回、いろんな勘違いで話がややこしくなるのがお約束のドラマですが、
今回は龍(玉木宏)は血がつながってないから自分への愛情が薄いとすねる向日葵(白鳥玉季)に、
龍の愛情の強さを見せてやろうと雅(志尊淳)のアイデアに美久 (川口春奈)が乗り、向日葵の狂言誘拐をすることから来る勘違いでした。
ただそれなら良かったのに、雲雀(稲森いずみ)が龍が以前こてんぱんにした渡瀬一家の人間がうろついている…なんて余計な情報を流すので余計に話がややこしくなってしまいます。
玉木宏にしても、親分夫妻の竹中直人、稲森いずみにしても、虎二郎の滝藤賢一、大城山会会長の橋本じゅんにしても、シリアスとコミカルな演技の切替が瞬時にできる人たちなので、
単なるダラダラしたおふざけにならずメリハリのきいた面白さが際立つんですね。
(竹中直人はちょっとふざけすぎのきらいはありますが、アドリブ多めで)
更にレギュラーに加えて今回は水野美紀演じる花魁姿の派手な情報屋のお京が登場。
玉木宏と滝藤賢一と3人のシーンは、アドリブが飛び交う面白シーンになりました。
これまでさまざまなドラマで怪演を見せてきた水野美紀のバワーはやはりスゴいですね。
玉木宏も滝藤賢一も押され気味でした。
私めのお気に入りは雲雀とスーパーの店長(本多力)のやりとりで、今回のもっと働きやすい格好でとか住み込みはやめてとかお願いするシーンも笑いました。
あと、雲雀が龍にもう少ししたら肉が安くなるとこっそり悪い顔で教えるのも笑いました。
この雲雀役の稲森いずみ、一皮むけてとても良いですね。
そんな年期の入った人たちに囲まれ川口春奈も志尊淳も頑張ってますが、特に志尊淳は頑張りすぎでちょっと気の毒にも見えます。
川口春奈は肝がすわった感じが良いし、白鳥玉季の笑わない感じも好きです。
冷ややかに竹中直人の親分を見る感じが最高でした。
今回の評価は…