これは長瀬智也の惜別のドラマだった…「俺の家の話」最終回 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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前回、奇跡的な快復を見せた寿三郎(西田敏行)でしたが、「もうこんな奇跡は起こらなかった」という寿一(長瀬智也)の意味深なナレーションがあったので、




てっきり私めは、最終回、寿三郎が亡くなってしまうんだなとばかり思っていたのです。
このドラマ全体はそういう流れでしたからね。
ところが…





TBS  金曜22時
「俺の家の話」最終回

主演…長瀬智也
脚本…宮藤官九郎
演出…金子文紀




最終回が始まってまもなくに、あれ?なんか変だぞ?
えっ?寿一が死んだってこと?




あれよあれよという間に、主人公が死んでしまった最終回を見ることになったのです。





これには驚きましたね。
脚本の宮藤官九郎にアッパーを思いきりきめられた感じの衝撃でした。




やっぱりクドカンは攻めて来るな~
主人公を殺しちゃうのかと…




寿一の死を認められず、寿一の亡霊がまるで生きているかのように見えてしまう寿三郎と、




死んだことに気づいていないのか、現世にとどまりたくて寿三郎の前に現れる寿一。




能の「隅田川」という演目が舞台で進んでいる中で行われる二人の会話は、




さらわれた我が子の死を知り、狂おしくなり、その幻を見る母の姿を演じる「隅田川」の内容ともリンクし、幻想的、かつ切ない、親子の会話でした。




ようやくわかり合える関係になった矢先の、息子の突然の死を受け入れられない切なさが胸に迫りました。





「よくやったよ、寿一。みんなのことを笑顔にしてくれてさ、ひとさまの分まで戦って、舞って、ケガして、笑って、そんなやついないよ」




この寿三郎のセリフは、脚本家、宮藤官九郎からの、表舞台から身を退くを長瀬智也への惜別のメッセージと、今まで頑張ってくれたことへの謝辞のように受け止めました。
私めのまたまた深読みかもしれませんが…




プロレスのリングに再び立ちたくても、立てないことを象徴するようなスーパー世阿弥マシンのマスクだけ残るラストシーンも洒落てましたね。




俺(寿一)のいない未来の家族たちの姿を見せていくのも、あまり他では見ない独創的な手法で、




宮藤官九郎の力の入れようがよくわかる最終回でした。





今回の評価は…