「退屈」「暗い」「古くさい」と簡単に片付けないで…「ファイトソング」第1話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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岡田恵和の脚本をどう受け止めるかで、このドラマの評価は違ってくるでしょうね。



この初回を見て、「退屈」「暗い」「古くさい」と感じた方はいると思いますが、だからもう見ないと簡単に決めてしまうには惜しい作品であることを、私めはお伝えしたいと思います。




TBS   火曜22時

「ファイトソング」第1話


主演…清原果耶

脚本…岡田恵和

演出…岡本伸吾




これまで多くの名作を生んできたベテラン脚本家の岡田恵和は、今という時代に媚びずに今あえてこんなドラマがあってもいいのでは…という思いで近年は脚本を書いているように思います。



「この世界の片隅に」

「セミオトコ」

「少年寅次郎」

「姉ちゃんの恋人」

「にじいろカルテ」



そこには心傷ついた人をいたわりあう、いつの時代も変わることなきヒューマニズムが常に描かれていました。




そして、今回の作品ですが、花枝(清原果耶)と芦田(間宮祥太朗)がいかに心傷ついてきたかを、丁寧に描いた上で今回のクライマックスの2人の対面シーンにつなげました。





花枝は幼くして、母を亡くし、父は蒸発し、養護施設に。

空手と出会い、日本代表候補になりうるところまで行くのですが、事故にあい、大学も空手も辞めてしまいます。




実は事故の際の検査で聴神経腫瘍が見つかり、将来聴力を失うと診断され、失意の底に落ちたのです。




施設で共に育った慎吾(菊池風磨)がやっているハウスクリーニングを手伝っても、気もそぞろて失敗し、慎吾に叱られます。




一方の芦田はいわゆる一発屋で、その後ヒット曲がないミュージシャン。

あと2ヶ月で売れる曲ができなければ契約を打ち切られるという崖っぷち状態。




そんな芦田の部屋にハウスクリーニングに入った花枝。

花枝の母親が大好きで幼い頃から聞き続けて、心の支えとなってきたのは、芦田の唯一のヒット曲「スタートライン」でした。




自分の曲が花枝にとって世界で1つの大切な歌と知り、そのお礼をするかのように芦田はその場で「スタートライン」を歌い始めます。

(間宮祥太朗、歌うまいですね!)





その歌を聞き、これまで溜め込んでいた悲しみが溢れ出す花枝。

清原果耶の涙に初回から早くも私めは、ノックアウトでした。




せっかく芦田本人と出会ったのに、この曲が聞こえなくなる日が来るなんて…。




残された日々を共に過ごして、芦田が再びヒット曲を生み出すまでの話になるんですかね。




慎吾役の菊池風磨は三角関係の、いいヤツだけど、フラれる儲け役のようですね。




確かに前半は展開が重苦しくもありましたが、クライマックスの2人のシーンが良かったので、初回の評価は…8