これまでも、このドラマでヒロイン朱梨(飯豊まりえ)の取り調べを受けるゲスト俳優の優れた演技を褒めてきましたが、
今回の感情の色が見えない容疑者を演じた室井滋の演技は、役者の格も違うし、まさに圧巻でした。
日本テレビ 木曜23時59分
「オクトー~感情捜査官 心野朱梨~」第7話
主演…飯豊まりえ
脚本…橋本夏
演出…松永洋一
清掃員仲間の川瀬(ベンガル)を屋上から突き落として殺したと自供している成海(室井滋)
例によって朱梨と風早(浅香航大)のコンビが取り調べ。
朱梨は成海の感情の色を、目を見て探りますが、成海には感情の色がありません。
両親を殺されたショックで感情を失った朱梨の姉、紫織(松井玲奈)と同じ無色です。
成海には悲惨な過去があり、母親は父親を殺したあと自殺、その後親戚をたらい回し。
やっと現れた心許せる相手と結婚するも、夫は投身自殺者に巻き込まれてホームから転落死。
あまりの悲しみから感情を失い、ただ生きるだけという生きる屍のようになってしまいます。
人を殺すなら、必ず何かしらの感情がなければおかしいのに、何もない…
感情のない虚無の目つき、そんな難役を演じるのは室井滋。
やはりスゴいですね。
川瀬は成海の夫が巻き込まれた投身自殺の原因を作った男で、それを知り復讐したと語っていましたが、
実は事故死では遺された妻は怒りのやり場がないので、自分のようになるのはしのびないと自分が殺したことにし、憎しみを引き受けたのです。
末期がんと知った成海はせめてもと思ってやったことでした。
それを告げた成海の目に浮かんだ感情は深い悲しみの青でした。
なんと切なく哀れな一生でしょう。
見ごたえがある回でした。
今回の評価は…8