前回に引き続き、今回も奈々(夏帆)のろう者ゆえの切なさに胸が締め付けられつつ、少しだけ救われる部分もあって、それが良かったです。
セリフを出さず、手話と表情だけで複雑な心理を表現しなければならない難役ですが、夏帆の繊細な演技が今回も素晴らしいものでした。
フジテレビ 木曜22時
「silent」第7話
主演…川口春奈
脚本…生方美久
演出…品田俊介
湊斗(鈴鹿央士)には名前を呼んで声を聞かせたのに、紬(川口春奈)には一向に喋ろうとしない想(目黒蓮)。
紬もそれは引っかかっていて、想にも聞きますが答えてはもらえません。
スマホに紬は俺の声が好きだったからねと打っても、見せなかったのが意味深でしたね。
本が好きな想は出版社に勤めているようで、職場でも声は発していないようです。それでもメールのやりとりで仕事は事足りているようです。
たとえ話せても、その声が自分は聴こえないって、不安だし、イヤですよね。
まして、声が好きだった紬にならなおさら、ガッカリさせたくないのもわかります。
だから手話でのやりとりにこだわってるんでしょうね。
そんな想が、紬の部屋に行って、紬の手話を封じ、紬の好きという言葉を感じ取り、ハグで答えたのは感動的でしたね。
毎回泣かされるこのドラマですが、今回は珍しく嬉し泣きをしたのが、奈々が想との会話で、
想の夢の中に奈々が出てくることがあって、そこでは奈々は想がイメージした声で話していると聞いて奈々が喜ぶくだりでした。
奈々は先天的なろう者なので、想が夢に出てきても声は聞けませんが、中途失聴者の想には奈々の容姿から声をイメージできるんですね。
想くんの夢の中で話せてるんなら良かったという奈々の喜びは、前回の奈々のかなわない願望を見た上なので、ひとしお嬉しいものがありました。
まっすぐにまだ拙い手話で奈々と向き合おうとする紬が、いかに想が奈々によって救われたかを伝えたことで、
前回は奈々が想に教えた手話を使い回されたようだと毒づいた奈々でしたが、
今回はおすそ分けしたようと、やわらかな表現になっているのも良かったです。
そんな奈々と春尾(風間俊介)はどんな関係だったんでしょう?
聴者とろう者でうまくいかず別れた恋人だったんですかね。
それなら春尾が言っていた言葉もうなずけます。
今回の評価は…8