今さら、ミタローは何を書いてんだと思われるかもしれませんが、やはり連ドラは最終回で「あ~このドラマを見続けてきて良かった!」と思わせてくれる作品が名作だと思うんです。
そういう意味でこのドラマは掛け値なしに素晴らしい最終回で、名作であると自信を持って言える作品となりました。
NHK 火曜22時
「しずかちゃんとパパ」最終回
主演…吉岡里帆、笑福亭鶴瓶
脚本…蛭田直美
演出…岩本仁志
静(吉岡里帆)はパナマに転勤する圭一(中島裕翔)に結婚してついて行くことを断りました。
やはり、ろう者である父親、純介(笑福亭鶴瓶)を1人で置いていけないってわけです。
純介ともめて家に帰りづらそうな静を一計案じて、圭一は家に共に戻れるようにします。
そこで、圭一は静がいないところで、自分はパナマに一緒に行くのを断られたと告げます。
てっきり行くと思っていた純介は「自分の臆病を俺の耳のせいにするな!」と静に怒りを伝えます。
今回印象的だったのは静の名前の由来で、生まれてきた静にやはりろう者だった亡き母親が、耳が聴こえる世界に産まれてきてかわいそうと言ったというエピソードは既にありましたが、
耳が聴こえない自分たちの世界もそれはそれで良いんだということを伝えるために「静」という名を付けたというのは、最終回で初めて明かされました。
それがあっての、ラストの振り絞るように旅立つ静に、純介が「しずか~!」と叫ぶのに泣かされるのでした。
今回は泣きどころが盛り沢山で、せっかく圭一が商店街の人たちの理解を得たスマートシティのプランが変更になり、
商店街の人たちがまた猛反発し、圭一が説明会をしても純介しか出てくれません。圭一が純介に説明したのを、
純介が圭一の代わりにみんなに説明し、
未来に向けて種をまけたらそれが今回、商店街をつぶされてしまうことの仕返しになると手話で説得しました。
これは初回に純介が幼い静にいじめられたら、楽しくしていることを見せるのが仕返しになると教えたエピソードとも重なるものでした。
商店街のみんなに理解してもらえて涙する圭一には、圭一のこれまでの頑張りも見てきたので、もらい泣きしました。
かわいそうか、かわいそうでないかはその人自身が決めることだというのも深く心に刻まれました。
連ドラで描いてきたことが集約して結実するさまを見るのはより快く感動を深くしました。
吉岡里帆も笑福亭鶴瓶も中島裕翔もみなはまり役でした。
特に中島裕翔がちょっと変わり者ながら好人物の圭一を好演しました。
最終回の評価は…9