このドラマでは主演の松岡茉優をはじめ鵜久森役の芦田愛菜、相楽役の加藤清史郎の凄みを改めて見せつけられましたが。各話でフィーチャーされた生徒役の若手俳優たちが起用に応えて優れた演技を見せてくれました。
当ブログで取り上げた人たちの名を列記すると山時聡真、浅野峻哉、窪塚愛流、本田仁海、當真あみ、詩羽といったあたりで今後に注目ですが、
いよいよ最終回にはネット上でも九条(松岡茉優)を突き落とした最有力候補だった星崎役の奥平大兼が、これまたスゴい演技を見せてくれて、その逸材ぶりを見せつけました。
日本テレビ 土曜22時
「最高の教師~1年後、私は生徒に■された~」第9話、最終回
主演…松岡茉優
脚本…ツバキマサタカ
演出…鈴木勇馬
まずは第9話の方から…
鵜久森の死の真実がすべて明らかになりましたね。
前回の相楽のインパクトが強かったため、また同じような「ごめんなさい」展開で、衝撃度もひきつける力も残念ながら弱かったです。
あ~そうだったのね。という感じ。
自分たちの居場所がなくなり面白くないから、浜岡(青木柚)から入手したネタで鵜久森を脅そうというのがゲスすぎましたしね。
自殺しようとまで思いつめたようですが、死に至らしめたのもそうですし、鵜久森の1回目の死に至らしめるいじめも元は彼女たちが鵜久森を心良く思わなかったところからですからね…
赦されるものではないんです。
しかし、このドラマで良かったのは鵜久森の母親、美雪(吉田羊)が直接に彼女たちに自分の思いを伝えたことでした。
娘のことを忘れないでほしい…
それは自分のおかした罪を忘れるな、より重い響きがありました。
いじめで自殺した生徒の遺族と、いじめた当事者をとかく直接に会わせないようにしがちですが、それへのアンチテーゼにも見えました。
そして、最終回です。
残るは卒業式の日に誰がまた九条を突き落とそうとするか…で、
現れたのは九条も、大半の視聴者も思っていた通りに星崎でした。
では、なぜ星崎は九条を突き落とし、そのあと自分も死のうとしたのか?
じっくりと時間をかけて丁寧に、星崎と九条2人きりのシーンが続きました。
その長いシーンを引き込まれて見てしまったのは、人と違う感覚や考えを持つために誰ともなじめず孤独な色のない世界を生きてきた星崎の苦悩を淡々と語る奥平大兼の演技らしからぬ演技にありました。
奥平大兼は「恋する母たち」というドラマで吉田羊の息子役を演じた時から注目していた人で、その時も成績優秀ながら引きこもっている実はゲイという複雑な役をすんなり演じて将来性を感じさせました。
その時に木村佳乃の息子役だった藤原大祐、仲里依紗の息子役だった宮世琉弥と3人を将来楽しみとしましたが、3人共に順調に成長していて頼もしいです。
2周目の九条と鵜久森がクラスを変えていったのに、星崎はやはり死にたいままだったところに闇の深さを感じました。
浜岡に刺されて、やはり運命には逆らえないのかと思いましたが、鵜久森とは違い、九条は命はとりとめました。
鵜久森から託されたようです。
「■された」は託されただったんですね。
このドラマは予想以上にメッセージ性の強いドラマでした。
第9話の評価は…7
最終回の評価は…8