夏ドラマアカデミー賞、続いては最優秀主演男優賞の発表です。
ノミネートされたのは以下の5人です。
「しずかちゃんとパパ」
笑福亭鶴瓶
落語が本業で話術のスペシャリストである鶴瓶にろう者を演じさせ、手話と表情で語らせたところに妙味がありました。
娘ばかりか近所の人からもパパと呼ばれ親しまれる愛すべき人物を、この人らしく自由奔放に演じました。
最終回の「しずか~~!」には泣かされましたね。
鶴瓶のあのしわがれ声だから余計に泣けたんです。
「こっち向いてよ向井くん」
赤楚衛二
ビジュアルも悪くないし、仕事だってそれなりにできるのに、女性にフラれてしまう今どきの恋愛ベタな向井くんは、赤楚衛二なればこそのハマり役でした。
無意識な言動が相手を怒らせたり、こじらせたりしてしまうさまを楽しめました。波瑠とのコンビネーションも良かったですね。
恋愛が多様でややこしくなっているまさに令和の恋愛ドラマでした。
「ばらかもん」
杉野遥亮
著名な書道家の御曹司が、大御所に暴言を吐き、五島列島に移住。島の人々との交流で人間的に成長していくさまが、主演俳優としての杉野遥亮自身の成長とも重なって見えました。
不器用ながらまっすぐな感じは杉野遥亮の持ち味で、ウジウジしたあとの開き直りの爆発力はこの人の武器です。
「初恋、ざらり」
風間俊介
W主演なのに、助演っぽく感じたところがこの人らしくもありました。ヒロインの小野花梨を役さながらにアシストし引き立てましたね。
器用にどんな役もこなす人ですが、これぞという単独主演の代表作品がそろそろ欲しいのでは?と思ってしまいます。
「VIVANT」
堺雅人
「半沢直樹」があまりに大ヒットしたために、そのイメージが強く残りすぎているきらいがありますが、
私めはむしろ「リーガルハイ」の堺雅人の方が好きで、この人の武器は多面的な演技ができるところにあります。
そういう意味で、今回の役はさまざまに変化し、善悪も定かでない複雑なキャラクターを存分に演じました。
以上、大混戦となった最優秀主演男優賞ですが、最終的に選んだのは…
「VIVANT」
堺雅人
これだけ豪華に主演クラスが多数出演し脇を固める中で、主役たりうるのは大変なことです。
ヘタすると食われてしまいますからね。
それをひるまず堂々とこなしきった堺雅人の度量に感服しました。