歴史の闇に葬られた女将軍たち…「大奥」最終回 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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つい筆が走って長くなりましたので、最終回は別の記事にしました。



NHK  火曜22時

「大奥season2」最終回


脚本…森下佳子

演出…大原拓




家茂が亡くなり、15代将軍となった慶喜(大東駿介)

依然として人望はなく、大政奉還するもそれでうまくいくわけもなく、




薩長に喧嘩を売って、鳥羽伏見の戦いを起こすも、薩摩の西郷(原田泰造)が錦の御旗を立てて戦いだしたと知ると、




賊軍の大将になるのを嫌い、兵を見捨てて江戸に逃げ帰ります。




官軍は勢いそのままに東に向かい江戸に攻め込み、火の海にするという噂が立ちます。慶喜も死罪は免れません。





卑劣な慶喜はなりふり構わず、実家が薩摩である天璋院(福士蒼汰)や天皇家につながる和宮(岸井ゆきの)にとりなしてもらえないかと頼みにきます。




慶喜にむちゃぶりばかりされてる勝海舟(味方良介)が、西郷と直談判することになりますが、江戸に愛着があり、家定や家茂に代わって守らねばという思いから、




その会談の場に、天璋院や和宮、瀧山(古川雄大)も隣の部屋に控えて立ち会います。




慶喜の命乞いはうまくいきませんが、和宮は孝明天皇から送られた手紙と、同じ筆跡による薩摩と岩倉が謀反をしたと咎めたものを西郷に見せ、これを公にされたくなければと、慶喜の助命を約束させます。



この駆け引きのシーンも岸井ゆきのが良かったですね。

女が将軍をしていたなど恥ずべき歴史と否定した西郷は、女将軍たちが男名前だったので、男だったことにすると言ったら…




「歴史なんてどうでもいい。歴史を歪めてもええから、江戸の町は傷1つつけんといて」



面子やら建前ばかり気にする男たちの愚かさを痛烈に批判した言葉でしたね。

痛快でした。




交渉の甲斐あって江戸城は無血開城になり、大奥に仕えた男たちは最後の宴をして、城内を土足で歩くのも気が引けるほどに磨きあげます。




大奥を始めた有功から終わりの天璋院まで、どちらも福士蒼汰が演じたところに意味がありましたね。





どちらも福士蒼汰の役者としての成長をよく示しました。

最終回でも家定の最期の様子を聞き涙するシーンも良かったです。心を揺さぶられました。




最後の大奥総取締の瀧山を演じた古川雄大もこの役で役者ぶりが格段に上がりました。来年の更なる活躍が楽しみです。




明治になり貿易商になった瀧山とアメリカに向かう船の中で再会した天璋院は、雇ってくれるように頼み込みます。




大奥という檻の中から解放された2人の溌剌とした笑顔が眩しかったです。




そして甲板で留学するという幼い少女に、英語を学んで男性を支えるのではなく、あなた自身が国を動かす人物になれると告げます。




梅子と名乗った少女はおそらく、のちに津田塾大学を創立した津田梅子でしょうね、

洒落たエンディングでした。




女将軍たちは歴史の闇に葬られましたが、新たな時代にまた国のために尽力する女性が出てくることを匂わせました。





今やバリバリ男社会で旧態依然でのさばってきた自民党が批判の的になってますから、女性党首の新たな政党が台頭してくれたらな~なんて思わされるラストでした。




20話の評価は…8

最終回の評価は…8