アクが抜けた遊川脚本の恋愛群像劇…「アイのない恋人たち」第1話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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このドラマ、遊川和彦のオリジナル脚本です。

かつては「GTO」や「女王の教室」「家政婦のミタ」といった秀作を書いた遊川ですが、



近年は「過保護のカホコ」「同期のサクラ」「となりのチカラ」といったちょっとクセの強い主人公を通して、脚本家の主張が随所に出すぎていて高い評価をしにくくなっていました。




今度もまたそうかなと身構えて初回を見ましたが…





テレビ朝日  日曜22時

「アイのない恋人たち」第1話


主演…福士蒼汰

脚本…遊川和彦

演出…綾部真弥




これが不思議と、ホントにこれ遊川和彦が書いたの?といぶかしく思うほど、見易いドラマになっていました。




描きたいのは30代になってもなかなか結婚はおろか、恋愛もできないのか、しないのか独身のままの男女のようで、




高校で同級生だった3人の男たちが4人の女性と関わっていくようです。




3人の男たちはそれぞれ…

マッチングアプリで女性と会うようになっても会うのは3回までで自然消滅をさせてるちょっとクズな、売れない脚本家の「愛がない」真和(福士蒼汰)


大手食品メーカーで商品開発をしていて、恋愛に興味がなく一度も交際したこともない「I(自分)がない」多聞(本郷奏多)



交番勤務の警官だが、最近婚約者にふられ、次の恋人探しに必死になってる「女性をみる目(eye)がない」雄馬(前田公輝)



キャラがしっかり構築された3人は、同じように恋愛がままならない女性たちとつながりができていきます。




真和は高校の時の元カノで今はクラブのホステスになってる愛(佐々木希)に再会したり、ブックカフェを営むも引きこもりの兄がいて家族に縛られ恋愛できてない絵里加(岡崎紗絵)と親しくなったり、




多聞は職場の後輩の栞(成海璃子)が好意を持ってくれてるのに気づかず、恋愛を否定したり、




雄馬は2人だけになった合コンで知り合い、タイプじゃないけど区役所職員の恋愛に積極的な奈美(深川麻衣)と親しくなっていったり、



初回からうまくさばいたなという感じでした。相変わらずちょっと演技が微妙な佐々木希以外は演技力のしっかりした人ばかり揃えたので、みなリアルにありそうなキャラを演じています。




中でも、NHKの「大奥」で進境を示した福士蒼汰は、こちらでも線の細さがなくなり、ちょっとやさぐれたクズっぷりを演じています。




変に誇張された主人公ではないだけに、ストレスなく見れそうです。




脚本家が誰にも肩入れせずに俯瞰から男女7人をながめつつ書いている感じです。





今回の評価は…7