昭和トリオが作っておきたかったドラマ…「不適切にもほどがある!」第1話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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脚本・宮藤官九郎53歳、プロデューサー・磯山晶56歳、チーフ演出・金子文紀53歳。




このトリオはTBSで平成、令和と連ドラの秀作を生み続けてきました。

「木更津キャッツアイ」

「タイガー&ドラゴン」

「流星の絆」

「俺の家の話」




そんな昭和生まれの黄金トリオが今回挑んだのは、彼らが思春期に見聞きした昭和の再検証でした。




TBS  金曜22時

「不適切にもほどがある!」第2話


主演…阿部サダヲ

脚本…宮藤官九郎

演出…金子文紀




このドラマは1986年当時を知っている世代かそうでないかで、受け止めようがかなり違うと思います。





なので、私めの感想もあくまで当時を知るバリバリ昭和生まれの感想であることを踏まえて読んでいただければと思います。




このドラマを昭和はいろいろ好き勝手にやれて良かったという昭和礼賛ドラマととらえる人もあるようですが、そんなことはありません。





昭和はこんなことがまかり通ってたけど、今から思えばやっぱりひどかったよね~という部分もちゃんと描かれています。




なぜなら、主人公の小川(阿部サダヲ)は

宮藤官九郎の親の世代で、宮藤自身はキヨシ(坂元愛登)と同じ年頃だったわけです。昭和の理不尽もいやいや付き合わされた世代です。




なので、そのディテールたるや、あくまで忠実にやろうというこだわりが隅々まで行き渡っていて、わざわざ2回もおことわりのテロップを入れるほど、こんなにまんま当時を見せて大丈夫なの?と思うほどの徹底ぶりでした。




大体、久しく演者がこんなに堂々とタバコを吸ってるドラマって見てませんよね。でも、そうだったんですよね、当時は。




それを見せることで良かったこと、良くなかったなことを考えてみませんか?そんな作り手の問いかけを私めは感じました。




それでいて、秋津(磯村勇斗)が後輩社員を励ましたらパワハラになったってエピソードを盛り込んで、




今の過剰なハラスメント対応っておかしくないかと疑問を提示してもいます。




こんな未来にするためにオレたち働いてきたんじゃない…って小川のセリフには宮藤官九郎の本音を感じましたね。




続くミュージカル仕立ての「話し合いましょう~」には、宮藤官九郎のホントはこれが言いたいけど、セリフで普通に言ったら照れくさいからミュージカルにしちゃえ!って意図を感じました。




コミュニケーションのツールが増えた分、面と向かって話し合うことが減ったことを憂える。

私めもそれにはとても共感しました。




昭和の視点を通して、令和の今を考える、そんな作品になりそうです。

今回の評価は…8