私めは脚本における後出しジャンケンは好きではありません。
実はこうなんですよ…と後から出してきて、それ以前に描いたことをまるで忘れてくださいと言わんばかりのやり方は、どうも受け入れがたいんです。
フジテレビ 木曜22時
「大奥」第3話
主演…小芝風花
脚本…大北はるか
演出…兼崎涼介
お知保(森川葵)はえげつないまでに倫子(小芝風花)とお品(西野七瀬)に嫌がらせをしてきて、なんて底意地が悪いんだろうと、その徹底したヒールっぷりに実は感心していたほどです。
ところが、今回急にお知保は病床の母親と幼い妹弟を抱えた没落武士の娘で、自分が大奥でのし上がって家族の暮らしを楽にしたいという180度違うお知保の本性を描きました。
お知保にもお知保の事情があるから同情してあげて…みたいなことで、そんな根はいい子が、あそこまでやるか?と頭の中は疑問符だらけに。
大体、お知保がめざすのは側室の座で、いくら倫子に嫌がらせをしても所詮は正室になれるわけではないんですよね。蹴落とすべきはあくまで他の側室たちなんです。
そこがどうにもおかしいわけで、高貴な人を憎むというのがよくわかりません。
公家にひどい目にあったなら分かりますが、そんなわけでもないし…。
あと、どうにも納得がいかないのは、大奥総取締の松島(栗山千明)が、倫子がお世継ぎを産んだら、公家たちが政治に口出しをしてくるから自分と田沼(安田顕)の息のかかった側室に世継ぎを産ませて言いなりにさせたいと言ってるところ。
この時代の公家にそんな力はありませんし、そんな目論みが公家側にあったらもっと倫子のそばに人を置きますって。
どうも不可解なことばかり。
家治(亀梨和也)が世継ぎを作りたくない理由だけは分かりやすかったですが…。
う~~ん、困ったもんです。
今回の評価は…6