臨終間際の夫に放った衝撃の一言…「お別れホスピタル」第2話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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今回のサブタイトルは「愛は残酷」

とても意味深なサブタイトルだなと見終わって更に考えさせられました。




終末期病棟に入っている患者に家族はどう接するのか、消え行く命との向き合い方に考えさせられました。




NHK  土曜22時

「お別れホスピタル」第2話


主演…岸井ゆきの

脚本…安達奈緒子

演出…柴田岳志




今回、対照的に描かれたのは高橋惠子演じる今日子と泉ピン子演じる久美でした。




今日子は長年にわたって夫の勝(小林勝也)に黙々と従順にサポートしてきたようで、




勝が末期がんになっても介護してきましたが、遂に介護疲れで自分も夫とベッドを並べることに。




しかし、今日子が世話をしないと、今日子を呼び続け暴れる勝は、介護疲れの今日子にも容赦なく世話をさせます。




「おい、おい」という強圧的な呼び掛けに今日子は従い続けてきたんですね。




一方、久美の夫は優しく穏やかな人だったようですが、認知症になり人が変わったように暴力をふるったり、暴言を吐いたりしたようです。




しかし、久美はどんな形であれ生き続けてほしいと願い、人工呼吸器による延命治療を願いました。




純粋に生き続けてほしいと願う久美を、今日子は羨ましいと思いました。

もう夫のために尽くしたくない…、と今日子は広野(松山ケンイチ)や辺見(岸井ゆきの)に願い、退院し夫の世話をやめました。




いよいよ臨終が迫り、痛みを抑える薬を入れますが、勝はまた今日子の名を呼び暴れます。




娘に任せて夫に近づこうとしなかった今日子でしたが、最後にいつものように枕を直してあげて落ち着かせると、今日子は勝の耳元でささやきました。



「早く逝ってください」



もうこれだけ尽くしたんだからいいでしょう。

それは愛からだったのか、憎しみからだったのか、




家族の介護がベストなんて甘ったるい考えに冷水を浴びせるような一言でした。

自分は夫を愛してたから言いなりだったのか、憎しみを圧し殺して言いなりになっていたのか…




夫が亡くなり自由になった今日子は若返り、綺麗に見えましたが、




メイクすれば美しく艶やかな高橋惠子が化粧っけもなく、夫に束縛され続けた今日子を実にリアルに演じました。

「早く逝ってください」の一言には心えぐられました。




今回はこのエピソードだけではあまりに重苦しいからか、

男性ケアワーカーを「ケンさん…」と呼んでしなだれかかる認知症のヨシさん(根岸季衣)や、隣のベッドは家族が見舞いに来て賑やかなので、寂しくなってナースコールを何度も鳴らす大土屋さん(きたろう)のエピソードもありました。




ケンさんは誰だったんですかね。

昔好きだった人なのか、案外高倉健のファンだったのか、生真面目な教師だったらしいので、抑えていたのが認知症になって表面化したのかもしれませんね。




人の晩年についていろいろ考えさせられるドラマです。




岸井ゆきのも松山ケンイチも抑えた演技で素晴らしいんですが、主任ナース赤根役の内田慈が実にリアルに好演してますね。




今回の評価は…8