目黒蓮はかくあるべし…という役…「海のはじまり」第1話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

連ドラについてじっくり語るブログ

連続ドラマでこれは面白いという作品のみをマメにチェック!

その内容紹介、批評、さらにヒット分析など、あらゆる情報を連ドラ好きの方々のために提供するブログです。

先に書いておきますが、初回を見てこのドラマは月9より「silent」と同じ木10で放送した方が良かったと思いました。



リアルタイムで見る人のことを考えたら週始めの月曜日より、木曜日の22時あたりでじっくりと見たい…そんなドラマです。

ま~今は配信で見ている人の方が多いのかもしれませんが…。




フジテレビ  月曜21時

「海のはじまり」第1話


主演…目黒蓮

脚本…生方美久

演出…風間太樹




このドラマに関しては複合的にいろいろ評したいので、まずはキャストについて書きます。




「silent」での演技がその初回から素晴らしかった目黒蓮。

このドラマではあの時ほどのインパクトはありませんでした。




ただ、やはり再集結した「silent」スタッフは目黒蓮はかくあるべしというのがよくわかっているなと感心しました。





「silent」のあと目黒蓮が主演した「トリリオンゲーム」は決して適役ではなかっただけに余計にそう感じたのかもしれません。




役者さんには自分の演技があくまで主体

で、周りにそれを合わさせるタイプの人と、相手の演技をうけてそのリアクションのうまさで見せるタイプの人がいます。




その後者の典型例が永山瑛太で、「それでも生きてゆく」などで見せた受け身の演技は実に素晴らしかったです。




目黒蓮もそのタイプで受け身のリアクション演技が非常に長けた人なんです。




…なので、大学時代の恋人、水季(古川琴音)に妊娠を告げられた時も、一方的に水季から電話で別れを告げられた時も、



水季の葬儀に出て娘の存在を告げられた時も、その娘、海(泉谷星奈)が1人で夏(目黒蓮)の家にやってきた時も、




さまざまな表情でその時その時のデリケートな感情の変化を余すなく表現してみせました。

それは「silent」の時より進化を感じたほどです。




特に初回でスゴかったのは、水季から電話で別れを告げられるシーン。

演出の風間太樹はあえてこのシーンを水季は声だけにして、夏を延々とカメラは撮り続けて、夏の戸惑い、怒り、悲しみという変化を目黒蓮に長回しで演じさせました。




目黒蓮ならやれるだろうという信頼あっての長回しで、見事にそれに応えてみせたのです。




ただ、夏の受け身がすぎるためにどうしても相手の水季や、水季の母親、朱音(大竹しのぶ)が身勝手に見えたり、厳しすぎて見えたりしてしまうのは否めませんでした。




水季についてはこれからわかっていくんでしょうが、朱音の夏への言葉は大竹しのぶの演技が抑えた迫力があって、グサグサと刺さりましたね。




知らなかったんだから、そこまで言わなくても…と男の私めは思ってしまったほどです。




さて、生方美久の脚本についても書いておかないといけませんが、「いちばんすきな花」ほど、作者自身の主義主張が出すぎてはいませんが、




水季が身勝手すぎるように見えてしまったのは、もう少しどうにかならなかったかなと気にはなりました。




海がいくら以前に水季と近くまで来たことがあるとはいえ、1人でしれっとやって来るのも唐突すぎる気もしました。




しかし、やはりセリフの選び方や回想とのバランスなども上手いなと感心はしたんですがね。




これは優柔不断で、あまり物事を深く考えず、何となく生きてきた夏が、人間的に成長してゆく話なんでしょう。





初回では詳しく触れてませんでしたが、

夏の家族も複雑で、母(西田尚美)と再婚した継父(林泰文)や連れ子の弟(木戸大聖)とは微妙な関係のようです。




しかし、大変なのは夏の年上のカノジョの弥生(有村架純)で、夏の娘の出現が2人の関係性にどう影響するか、とても気になりますね。




第1話の感想は…8