5話は4話から数年が経ち…七実(河合優実)は大学時代から働いていたルーペが会社として成長しても広報の責任者を続けていて、その悪戦苦闘ぶりが描かれました。
良いこともあれば大失敗もあり、その浮き沈みはまるでジェットコースターのようでした。
NHK 火曜22時
「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」第5、6話
主演…河合優実
脚本…市之瀬浩子(5、6)、大九明子(6)
演出…大九明子
無鉄砲ともいえる猪突猛進の行動力は相変わらずの七実。
しかし、取引先や取材してもらう先とのトラブルを頻繁に起こしているようで謝罪ばかりしているようだ。
社内でも精算が滞りがちで後輩の経理担当から呆れられている。
信頼はなかなか得られていない。
それでも社長の首藤(丸山晴生)は七実に愛想はつかさず、七実はいつか奇跡を起こしてくれるのでは?と期待しているのでした。
その首藤の期待にこたえて、七実がテレビの情報番組のコーナー企画に出した提案が採用され、ルーペのキャラクターが紹介されることに。
プロデューサー(古舘寛治)にはいたく気にいられ、また次もという話になります。
ところがせっかく会社の貢献したのに、
七実はパソコンからウイルスを流出してしまい、処々方々に多大な迷惑をかけてしまいます。
テレビの仕事もそのせいで無しになってしまいます。流石にダメージを受けた七実でしたが、
それでもまだへこたれず、編集者の末永(山田真歩)にweb取材を紹介してもらい、そこで自分の家族のことを話します。
書かれた記事は悲劇だらけだけど大丈夫と、家族のことをやたらと悲劇のように扱われてしまいます。
同じ時期にテレビに映る七実を見た、亡き父親・耕助(錦戸亮)の元部下で今は会社を引き継いでいるいずみ(早織)が見つけた耕助が書いていたノートを渡され、
耕助が七実をよく褒めていたと聞かされます。
七実は母親のひとみ(坂井真紀)から、耕助は生前、七実は大丈夫だと言ってたと聞かされてきました。
まるで七実は、その大丈夫という言葉に暗示をかけられたように、どんなことが自分の家族にふりかかってきてもへこたれずに頑張ってきたのです。
しかし、父親の亡くなった時のことやソファーで寝そべる耕助に「パパなんて死んでまえ」と言ってしまったことなどが思い起こされ、今まで押さえこんでいた感情が爆発してしまいます。
風呂場で七実が「大丈夫やない。全然大丈夫やない」と泣きながら叫ぶシーンは、ちょっと衝撃的でグッと来ました。
苦しい展開が続いた5話でしたが、6話は明るい兆しが見えてくる展開でした。
会社に出なくなった七実は草太と遊園地に行き、ジェットコースターに乗ったり、ほのぼのと癒される時間をおくります。
親友のマルチ(福地桃子)も彼女らしいやり方で七実を励まし喝を入れてくれます。
そして、今まで草太にしか見えなかった耕助の幻影が、ようやく七実にも見えるようになりました。
七実はずっと謝りたかった「死んでまえ」と言ったことを謝れました。
このドラマはリアルとこういうファンタジーとのバランスが絶妙ですね。
そこにいるようで実はいないような不確かな存在感という難役を飄々と演じてみせる錦戸亮に、年齢を重ねての演技の円熟をこのドラマで強く感じています。
いろんな出会いに恵まれる七実は、SNSで家族について書いた文章が評判を取り、編集者の小野寺(林遣都)の目に止まり、作家への道をすすめられます。
やり手らしいこの小野寺はクセの強い男で、林遣都がノリノリで怪演しています。
次回はまた苦難があるようです。
まだまだハラハラは続きそうです。
5話、6話ともに評価は…8