まだ高校生のわが子が妊娠し、妊娠させてしまったら親たちはどう考え、どう対処しようとするのか、そこが親世代に近い私めには大いに気になるところでして、8話と9話は7話に引き続き見いってしまいました。
フジテレビ 火曜23時
「あの子の子ども」第8、9話
主演…桜田ひより、細田佳央太
脚本…蛭田直美
演出…松浦健志(8)、山浦未陽(9)
このドラマは先延ばしにすることなく、次々に当事者たちが対話するところが、スゴいなと変な感心をしています。
前回は子どもたちの妊娠トラブルを知った母親たちがすぐさま対話。しかも子どもたちも同席というちょっとした修羅場。
当然中絶すべきというスタンスだった母親たちは、福(桜田ひより)と宝(細田佳央太)が時間をかけてまだ考えたいという主張に一旦は折れたのでした。
しかし、第8話では宝の母親、直実(美村里江)は福に連絡して家に招き、宝のいないところで改めて、中絶してくださいとお願いします。
何とか福を説得したい直実は、自らも大学生の時に中絶して彼氏と別れた経験を語ります。
母親になる覚悟ができずに中絶したために赤ちゃんを産んで欲しかった彼氏と溝ができ別れてしまったのでした。
福にも宝にもまだまだたくさんの経験をしてほしいし、福が産むと言ったら、逃げない宝は箱根駅伝に出る夢を捨ててしまうと言います。
だから中絶してほしい…
宝の母親に言われたから中絶したと思うようにしてくれて良いからとまで言います。
息子の夢はおそらく直実にとっても夢だったはずで、それを失いたくないエゴもチラっと感じる言葉でした。
福はそんな言葉にはほだされず、大切な話を自分にしてくれたことを感謝し、今後は相談に乗ってほしいと頼みます。
更に福がスゴかったのは、自分が宝に会いたかったから、そのためには過去の中絶は必要だった、苦しくなったら私のせいにしてくださいと逆に切り返した言葉でした。
宝を産んでくれてありがとうございました…って。
これを言われたら引かざるをえませんね。
美村里江の気迫の演技に一歩も引かず対峙する桜田ひよりのスゴさにうなりました。
9話はついに福の父親・慶(野間口徹)が海外赴任先から帰国します。
妻の晴美(石田ひかり)から福の妊娠については既に聞いていて、帰国早々に相手は誰かを息子の幸(野村康太←沢村一樹の息子)に聞きますが、晴美から口止めされている幸は黙っています。
ところが晴美を通じて宝と直実親子は福の家に呼ばれ、一堂に会して話をすることに。
ここで慶はあらかじめ考えたことを独断的に話し始めます。
福は赤ちゃんを産みたいと言い出すことはわかっている、だから産みなさいとあっさり言います。
しかし、産まれた子は養子縁組みをして慶と晴美の子ということにして、ここで育てていく、そして宝の面倒までは見られないから宝とは別れてもらう…
自分たちで育てると宝は食い下がりますが考えが甘すぎると聞く耳をもちません。認知しなくていいから別れてくれの一辺倒です。
どうせ暇なんだからもう1人くらい育てられるだろうと言われた晴美はプッツン!
だったら離婚しましょう!私が親権代行
すると言い出します。
まさにカオスな状態!
宝と自分のどちらを選ぶのかと福に聞くと、福は宝と答えます。
そりゃそうですよね。
不服な慶はどうせ男は逃げるんだからと毒づきますが、今度は直実がプッツン!
宝は逃げません!逃げてほしいけど逃げないんです。私が逃げない子に育てたから!
涙ながらに訴え、直実は出て行きます。
慶は女性陣全員を完全に敵に回しました。
直実を追いかけた宝に、直実は夢はホントにいいのか?夢から逃げることにならないか?と聞きますが、宝は僕の夢じゃないと答えてかけ去ります。
宝の夢はいつしか直実のために叶えたい夢になってしまったのでしょうね。
慶にしろ、直実にしろ、子どものことをわかっているつもりでも、そうとは限らないという皮肉さがにじみました。
この先はどう展開していくんでしょう?次は親友や教師に知られていくんですかね?
第8話、第9話ともに…8