こちらは先週9日に放送された第10話の記事になります。お間違いのないように。記事が遅れており申し訳ありません。
フジテレビ 月曜21時
「海のはじまり」第10話
主演…目黒蓮
脚本…生方美久
演出…山岸一行
今回の冒頭は小学生になる海(泉谷星奈)のために水季(古川琴音)が名前を書く練習をさせるシーンから始まりました。
漢字を知りたがる海のために「海」という字を書いてあげ、海という字には氵が入っていて、これは水だから、「水季」の水が入っていることを教えてあげます。
これがラストの海が「南雲」から「月岡」に名字が変わるのを受け入れるシーンにつながっていきます。
さて、弥生(有村架純)と別れて、1人で海を育てていく覚悟を決めた夏(目黒蓮)ですが、いざそれを実行するとなると
クリアしないといけない問題があるわけです。
その1つが海の転校。海は転校することを嫌がっています。それを夏が受け入れるとなると海の住む小田原から通勤ってことになります。
実は小田原は私めの故郷でして、この小田原というのが絶妙な距離感なんです。
東京に通おうと思えば小田急やJRを使って通えなくはないんですね。
しかし、翔平(利重剛)が言うように営業職の人が通うには厳しい距離ではあるわけです。私めの兄は事務職なので通ってましたが…。
だからと言って転職するとしたら、職場の先輩の藤井(中島歩)が忠告したように、慣れない子育てと新たな職場でのストレスが重なってボロボロになったら子どもには二次災害になるというリスクはあります。
また、海と暮らすことになると今は海と一緒に暮らしていることで水季を亡くした悲しみを癒せている翔平や朱音(大竹しのぶ)から海を奪うことになります。
転職してもいいと思っていることを伝えるといつも淡々としている翔平が珍しく感情的になり、こう言いました。
私めはグッときましたね。
「いいの、いいの、水季だってね、1人でやってたわけじゃないんだから。孫や子どもに甘えられないで、何生きがいにしたらいいの?娘がもういないっていうのに…」
そうなんですね、海を通じてまだ水季がいるようなつながりを感じていたんですね。それが痛いほど伝わりました。
海が転校したくない理由も夏は翔平や朱音と一緒にいられなくなるから…くらいにしか考えていませんでしたが、
海の担任の先生から聞いて、水季との思い出がいろんなところにあるからと分かります。
水季とつながっていたいという思いが、海に転校を拒ませていたんです。
そんな海のよき相談相手になってくれているのは、夏とは別れましたが海の「友だち」になってくれた弥生と、夏には厳しくてもフォローをしてくれる津野(池松壮亮)でした。
夏の言うことをきかなくても、夏が海を嫌いにはならないって言ってあげる津野は素敵でしたね。
夏に送った子育てなめてんのかLINEはすごかったですけど…。
夏の部屋に残した物を取りに来た弥生は、逡巡している夏に水季からの手紙にも書いてあった選択についてを伝えます。
誰も傷つけない選択はないし、だからって自分が犠牲になればいいってことでもない…
この言葉に後押しされ、改めて夏は今の仕事のまま東京で海と暮らすことを翔平と朱音に告げ、海にも転校しないで今のままいるか、東京で一緒に暮らすかの選択をさせます。
「毎日会えるんでしょ?じゃあ、いいよ」
涙を流しながら応じる海ちゃんに泣かされました。
「海も夏くんと一緒にいたい。いなくならないでね。ママがいたとこ連れてってね」
いなくならないで…ってまた出ました。
これなんですね、海にとっては。
弥生が自分の言葉で海に別れたことや友だちになることを説明したシーンも良かったし、夏の母親ゆき子(西田尚美)が別れた報告に来た弥生に「楽しく生きなさい…ちゃんと幸せになんなさい」と励ますシーンにもグッと来ました。
いろんな優しさに包まれたシーンが多い回でしたね。
ラストは夏が海に月岡という名字を書いてあげました。
あの時、水季に教えてもらった水のことを海は夏に伝えます。
水季の季は季節だから、「夏」はちょっとだけお揃いと笑うシーンに癒されました。
海という名前に込められた思いが改めて視覚化されましたね。
冒頭とラストのつながりの巧みさに、毎回うならされます。
10話の評価は…8