このドラマは最後までボクシングというこのドラマならではのテーマが、ないがしろにされなかったのが良かったです。
プロボクサーらしい身のこなしを体得した奈緒の努力には敬意を表したい最終回でした。
TBS 火曜22時
「あのクズを殴ってやりたいんだ」最終回
主演…奈緒
脚本…泉澤陽子
演出…岡本伸吾
弟分として可愛がっていた悟(倉悠貴)が実は大地(大東駿介) の弟で、兄の命を奪った自分を恨みに思い、さまざまな妨害やほこ美(奈緒)への危害まで加えていたと知り、海里(玉森裕太)はまた失意のどん底に。
カメラマンの仕事もやめ、ほこ美の前からも姿を消し、町工場で働くことになります。
ほこ美はそんな海里を見つけ出し、帰宅を待ち構えては海里がまた元に戻るように熱く語りかけます。
このままでは海里はまたクズになってしまう…絶対そうはさせたくないと、ほこ美は怖くなってしまったボクシングの練習を再開し、羽根木(渡部篤郎)にボクシングの試合を組んでほしいと頼みます。
1か月後に試合ができることになり、ほこ美はその試合で自分の写真を撮ってと海里に頼みに行きます。
ホントしつこいね、と言う海里にほこ美は
「あなたが何度クズになろうと、私はそのたびにこうやって殴りに来ます」
ときっぱりと言い、悟ともちゃんと向き合ったらどうかと背中を押します。
海里はそれで大地の墓参りに来た悟に改めて詫びます。
頑なに許そうとしない悟の心に刺さったのはこの言葉でした。
「俺は今でもお前と一緒にいた時間のすべてがウソだったとは思えない」
大地に海里が可愛がられたように、海里も悟を弟のように可愛がっていたんですよね。
2人が暮らした部屋に行き、悟は海里との日々を思い出し、恨みを解くことにしたようです。
壊れた引き出しの取っ手を直すということでそれを表現しているのが洒落てましたね。
海里はカメラを持ってその足でほこ美の試合会場に向かいます。
ダウンを取られ、負けが決まりそうな時にリングサイドから海里が声をかけ、ほこ美はまた闘志を燃やし、逆転KO勝ちをおさめます。
そうなるよなと思ってはいても、やはりほこ美の頑張りと周りのサポート、海里の再生もあって感動的でしたね。
ほこ美や海里を応援したい気持ちにさせてくれたからこそでした。
ラストに見せた試合の写真はホントいい写真でしたね。
ゆい(岡崎紗絵)と大葉(小関裕太)もボクシングを通じて恋をはぐくんでいきそうでそちらも良かったです。
今年見た恋愛ドラマの中では上位に位置する作品でした。
最終回の評価は…8