同じ兄弟でも血のつながりが無いとはいえ、祥吾(向井理)と春一(黒田大輔)兄弟は洸人(柳楽優弥)と美路人(坂東龍汰)兄弟とあまりに違うなと思わされました。
邪魔者扱いされて橘一族から疎外されてきた祥吾がたどった道は、兄に認めさせたくて悪事に加担してまで政治家に取り入ることであり、
血のつながりのある愁人への執着でもあったんでしょうね。そんな祥吾の複雑な心理を向井理が実に繊細に演じてましたね。
TBS 金曜22時
「ライオンの隠れ家」第10話
主演…柳楽優弥
脚本…徳尾浩司、一戸慶乃
演出…泉正英
愛生(尾野真千子)や愁人(佐藤大空)を救い出すべく向かったのに、祥吾に追い払われてしまった洸人は自分の不甲斐なさに落ち込みます。
そんな洸人を勇気づけるかのようにみっくんはグループホームの体験宿泊に行きます。みっくんは洸人がいなくても大丈夫なようにどんどん成長していますね。
祥吾の手下となって汚れ仕事をしていた樺島(後藤剛範)が逮捕され、祥吾の身も危うくなり、春一はそんな弟を見捨てて追い出します。
祥吾は愛生は家に縛って監禁したまま、愁人を連れ逃避行へ。
故郷の山梨に向かいます。
自分が幼い日に見た風景を愁人に見せる祥吾。つらかったであろう日々が想像され、時々垣間見せる祥吾の寂寥感漂う眼差しが印象的でした。
愛生は柚留木(岡山天音)に救い出され、ぬいぐるみのGPSを頼りに追いついた洸人により愁人も祥吾から取り戻すことができました。
しかし、この時に祥吾が「家族のためだけに生きてきたのに」と熱弁するのに対し、洸人は「僕も同じ間違いをしていたのかもしれない」と言います。
祥吾を見て、我が身を振り返り、美路人のためと洸人が励んできたのは美路人を縛りつけていたのかもしれないと気づくのです。
もう美路人には愛生もいるし、愁人もいるし、職場の仲間もいます。
洸人はある日姿を消します。
自分も美路人から離れて自分自身の歩むべき道を見つけなければ、そう思ったのでしょう。
洸人とみっくん、ライオンはそれぞれの暮らしを送ることになりそうです。
ライオンが戻ってきたことを喜ぶみっくんの姿を見るにつけ、バラバラになるのは寂しいなと思ってしまいます。
第10話の評価は…7