続いては最優秀助演男優賞です。
こちらも5人をノミネートしました。
「宙わたる教室」
小林虎之介
イッセー尾形
まずは学習障害から負のスパイラルになり、グレてしまった柳田が、藤竹という教師と出会うことで、ポジティブに変化していくさまをこの人らしくエネルギッシュにまっすぐに演じてくれました。
期待通り、いやそれ以上の好演で、やはりこの人はかなりの逸材だと確信しました。
一方、クラスの中の最年長者の長嶺を味わい深く演じたイッセー尾形も、なかなか本気の演技を見せてくれない人だけに、若い同級生たちへのスピーチは実に感動的で貴重なものを観られました。
この人の存在がこのドラマに深みを与えたのは間違いありません。豊かな人生経験が若者をよい方向へ導く理想的な形を見ることができました。
「あのクズを殴ってやりたいんだ」
玉森裕太
クズだけど魅力的、クールに見えて実は熱いという二面性のある複雑な役をすんなり演じるところにこの人の技量の高さを改めて感じました。
兄と慕った先輩を死なせてしまった苦悩を乗り越えていくさまを共感を持って見ることができました。
「ライオンの隠れ家」
坂東龍汰
こういった障がいを抱えた人物を演じるととかく高い評価をされがちですが、それにも増して愛すべきキャラにしていくのは更に高度な演技力を要求され、それをクリアしてみせました。
目や口、手や足先に至るまで全身の細やかな動きで、言葉にできない感情を表現しており、かつみっくんの成長していく変化も丹念に演じていました。
坂東龍汰恐るべしでしたね。
「3000万」
青木崇高
ひょんなことからトラブルに巻き込まれ、事態をどんどん悪い方へ導いてしまうダメ夫をこの人らしく飄々と演じました。
とかく暗く重苦しくなりがちなこのドラマにコミカルさや明るさを加えてバランスを取った功績は大きかったです。
以上、5人の中から最優秀助演男優賞に選んだのは…
悩みに悩んだ末に特例で2名を同時受賞にしました。どちらかを選んでどちらかを落とすのはしのびなかったからです。
他のクールなら十分最優秀を取っておかしくないだけのものがありましたので。
まず1人めは…
「宙わたる教室」
小林虎之介
最終回のスピーチは、演じる柳田同様に小林虎之介という役者自身の希望に満ちた今後を約束させる感動的なものでした。
近頃の若い役者さんにない熱いまっすぐさがこの人の武器で、ぜひ来年も活躍してもらいたいです。
そしてもう1人は…
坂東龍汰
「ライオンの隠れ家」
どうしても彼を選んでおきたかったのはこの役での好演で坂東龍汰の認知度は格段に高まり、彼の役者人生において重要な役になるに違いないからです。
かなり前から注目してきた私めとしてはこの作品、この役に彼が出会えて、評価を得たのは喜ばしいことでした。
小林同様にさらなる飛躍に期待します。