男色家の源内と男前の花の井…「べらぼう」第2話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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今週も見ごたえありましたね。大体今回でこのドラマの基本的な構造が見えてきました。



江戸文化の改革者たる重三郎(横浜流星)があるミッションに向けて奮闘するのを周りがどう支えるか…という吉原パートと、




並行して、第2の主人公的な幕府の異端児、田沼意次(渡辺謙)が、旧態依然たる勢力と対抗し、いかに世の中を変えようとするかの幕府パートとこの二重構造のようです。




NHK  日曜20時

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第2話


主演…横浜流星

脚本…森下佳子

演出…大原拓




初回で田沼にヒントを与えられ、重三郎はさびれかけた吉原に再び客を呼び戻すためにガイドブックである「吉原細見」を作り直すことを考えます。



ひらめいたのは吉原細見のトップページの「序」の文章を、当時現在のコピーライター的な存在としても実績を残していた平賀源内(安田顕)に書いてもらおうと考えます。




土用の丑の日にうなぎを食べることをPRする文言を書いたことでも平賀源内は有名ですが、ドラマの中では漱石粉という歯磨き粉を普及するのに関わっていたことも紹介していました。




とにかく日本のダ・ヴィンチと言われるほど多才な人だったようです。





重三郎は執筆依頼のために源内を探し回りますが変人の源内は居場所が定まらず、消息がつかめません。




困った重三郎は田沼の屋敷に出入りしていることを知り、源内本人とは知らずに厠で知り合った男に聞くと、源内をよく知っていると言うので、




便宜をはかってもらうために要望通り吉原に案内します。




松葉屋に行き、花魁の瀬川に会いたがりますが、今は瀬川を名乗る花魁はおらず、うつせみ(小野花梨)が相手をします。




たまたま源内と顔見知りが松葉屋に来ていて、源内本人とバレてしまい、それなら…と重三郎は直談判しますが、源内は世間にも知られた男色家で、歌舞伎の名女形で今は亡き瀬川菊之丞をこよなく愛していたのでした。



そんな男色家の自分が吉原の花魁や女郎たちのPRを実感持って書けるわけないだろうと源内は拒みます。




よく見たら美男の重三郎に、重三郎が花魁の格好をしたら書いてもいいけど…と言い寄る源内。

安田顕のねっとりした目つきが怖い、怖い(笑)




横浜流星、いや、重三郎危うしって時に男装した花の井(小芝風花)が座敷に入ってきて、自分が代わりに相手をすると申し出ます。




このシーンの小芝風花はキリっとしていて、流石!花魁のトップをはるくらいの女性は肝がすわっているってところを見せつけました。




小芝風花はとかくウジウジ悩むような役を多く演じてきましたが、「波よ聞いてくれ」のDJ役で見せた気風のよさがこの人の強みでもあるので、この花の井役は見事にハマったたなと嬉しい限りです。



源内は、花の井に菊之丞が自分の前で踊りの稽古をしたように舞ってほしいと所望し、菊之丞との生前の思い出をよみがえらせます。




この時の安田顕の穏やかでやわらかな表情が何ともいえない良い表情でしたね。




そのあと源内はふらりと店を出て、吉原のあちこちを歩き回り、吉原の遊女たちを見聞した上で序文を書き上げました。




それは男色家の源内だからこそ書ける俯瞰で吉原のありようを眺めながら、その魅力が浮かび上がる名文でした。




序文を得た重三郎は、細見でつぶれた店が黒塗りになっていたり、遊女の格付けが更新されていないのを改めて、新しいものにします。



吉原に客は戻ってくるんですかね。次回以降、重三郎が次はどんな手を打って出るか楽しみです。




楽しみと言えば、幕府パートでは今回、男女逆転の「大奥」で仲間由紀恵が怪演した一橋治済役で生田斗真が登場しました。



この治済は御三卿の1つ一橋家の当主で息子を十一代将軍にして裏で牛耳ることになる野心家なのですが、田沼意次とどんな関係性をとっていくのか、



したたかな感じをプンプン出していましたから楽しみです。




後に田沼意次を失脚させ、理想主義の寛政の改革を行う松平定信の青年時代である田安賢丸も登場しました。

演じるのは寺田心。随分大きくなりましたね。




まだ発表になってませんが、松平定信は誰が演じるのかも気になります。




2話の評価は…8