手強く難解な異色学園ドラマ…「御上先生」第1話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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今のところ、冬ドラマで良い意味で予想を裏切ってくれた最大の作品です。




これは手ごわい作品が始まりましたね。

単なる学園ドラマの枠にはおさまりきれないスケール感と、難解な謎がはりめぐされていて、先の展開が読めない感じにたちまち魅了された初回でした。




TBS  日曜21時

「御上先生」第1話


主演…松坂桃李

脚本…詩森ろば

演出…宮崎陽平




脚本は松坂桃李が日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を受賞した「新聞記者」を藤井道人監督と共作した劇作家で演出家でもある詩森ろば。

連ドラはNHKの「群青領域」しか書いていません。




なるほどセリフのエッジのきき方がただならぬものがあるのは、そのせいだとわかりました。

松坂桃李が希望しての起用なんでしょうか。



文科省から派遣された官僚教師の御上が放つ言葉はどれも刺激的でした。



いくつか例にあげると…



「志だけで変えられるならとっくに変わってる。官僚が出世したいと思ったら、手を汚さずに上には行けない」


「この国の人は高い学歴を持ち、それにふさわしい社会的な地位や収入のある人間のことをエリートだと思っている。でもそんなものはエリートなんかじゃない。ただの上級国民予備軍だ」


「君が記事にしたことは『闇』ではなくただの『日常』だよ。そんな簡単に見えるものは『闇』とは呼ばない」



他にもまだまだありましたが、これくらいにしておきます。




御上は日本の教育を改革すべく、文科省の闇に迫ろうとして、左遷されてしまったのでしょうか?

どうやら同期の槙野(岡田将生)に裏切られたか、上司の塚田(及川光博)に疎んじられたか…でしょう。




そんな御上が派遣されたのは、予備校を経営していた古代(北村一輝)が作った歴史の浅い私立高校。東大入学者をどんどん増やしている進学校です。




担任の是枝(吉岡里帆)を副担任に追いやり、いきなり担任に。着任早々に御上は生徒たちを挑発しまくります。




エリート官僚のクレバーさを余すなく演じきる松坂桃李の演技が圧倒的です。

何かを成し遂げようとする強靭な信念を感じさせるブレない芯の強さのようなものが溢れ出ている魅力的な異色教師です。




オーディションで選ばれた錚々たる若手実力派たちが生徒を演じていて、1人ずつフィーチャーされていくんでしょうが、今回は父親が記者クラブの記者で、自分も報道部で教師の不倫を暴くスクープ記事を書いている神崎(奥平大兼)でした。



演じる奥平大兼は「恋する母たち」で宮世琉弥、藤原大祐と息子役を演じて注目した逸材。なかなかブレイクしきれてませんが力のある人です。




松坂桃李との共演は良い刺激になるでしょう。




御上は自分の起こした不祥事と、神崎が暴いたスクープと、冒頭に描かれた試験会場での殺人事件がつながっているとのことでしたが、どうつながっているんでしょう?





初回は旧態依然の記者クラブのあり方や、何もなしえない官僚のありようなど、シビアな社会批判が随所に盛り込まれていましたが、今後もこんな感じなんでしょうか?NHKでやりそうな骨太なドラマですね。




1話の評価は…8