それまで3話とは違う優れた第4話を書いてくれた脚本の蛭田直美が、この第6話も担当しました。
先に言ってしまうと素晴らしかったです。蛭田直美が1人で初回からすべて書いていたらこのドラマは大傑作になっていたでしょう。
フジテレビ 木曜22時
「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」第6話
主演…香取慎吾
脚本…蛭田直美
演出…谷村政樹
人は人を利用し、人に利用されて生きていく…それでいいじゃないか、そこに愛情があれば…
そんな温かいメッセージに貫かれた回でした。
一平(香取慎吾)が正助(志尊淳)親子のために頑張ってきてくれたのは、選挙に出る時のアピールポイントにするためだったと知り、正助は怒り呆れて、今週末のひまり(増田梨沙)の誕生日祝いを終えたら出て行くと告げます。
そんな中、都(冨永愛)にひまりも手伝って始めたこども食堂を取り上げた番組が放送されます。
その中のインタビューで、亡き母のレシビを使って料理を作るひまりはお父さんに食べてほしいと答えます。
「お父さん」と呼んでもらえて来なかった正助は、やっと呼んでくれたと放送を見て喜びますが、それは正助のことではありませんでした。
ひまりが3歳の時に離婚して、それ以来会ってない実の父親康太(奥野瑛太)がこの放送を見てくれるかもしれないので、伝えたかったんです。
ひまりはまだ3歳でしたがごっつい指でほっぺたを触ってくれた感触や「ひまたん」と呼ばれていたのを覚えていました。
事業に失敗し借金を返し続けている康太は仕事の合間にひまりが出ている放送を見て、たまらず号泣しました。
もうこのあたりから涙腺はゆるゆるです。
放送を見てから都のカフェの店先に封筒に入れたお金をこっそり置いていくようになった康太。
その康太を一平と正助はつかまえて話を聞きます。
事情を聞いて一平は康太が自殺しても保険金がおりる3年を超えるのを待って、受取り人のひまりに保険金をのこすつもりと察知します。
一平は康太に死なずに働いて、その金をひまりに渡せと熱く説得します。
利用できるものは利用すればいい、自分が政治家になったらもっと支援できるようにすると約束もします。
更に正助はひまりの誕生日祝いに来るように誘い、可愛く育ったひまりを直に見てほしいと懇願します。
「会って後悔してください。ひまりの手を放しちゃったこと…」
この男3人のやりとりは三者三様に熱のこもった演技でグイグイとひきこまれました。
そして、誕生日祝い。
現れた康太に近づくと、ひまりはその手を取り、自分の頬にあてました。
ここで私めの涙腺崩壊1回目。
ひまりは康太に正助のことを「お父さん」と呼んでいいか、聞きます。
正助を「お父さん」と呼ぶと、ホントの「お父さん」の康太がいなくなってしまう気がして…と悩んでいたのです。
このひまりの健気さに涙腺崩壊2回目。
一平が正助は「パパ」、康太は「お父さん」と呼ぶようにしたらと提案し、そうすることにします。
河川敷で帰っていく康太を見送るひまり。
「お父さん、またね~」と笑顔で懸命に手を振ります。
振り返った康太は
「ひまた~ん」と呼んで笑顔で手を振り返しました。
ここでダメ押しの涙腺崩壊3回目。
どんだけ泣かせるんだ、ひまりちゃん。
いや~素晴らしいホームドラマでしたね。
次回は一平の父親(柄本明)の登場。
脚本はまた蛭田直美らしいので、大いに期待します。
6話の評価は早くも今年2つめの…9