答えの出ない質問を考え続ける力…「御上先生」第9話、最終回 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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第9話と最終回を2話まとめて記事にします。

「クジャクのダンス、誰が見た?」で鳴川が阿南の父親だろうというのと同じくらい、槙野(岡田将生)は御上(松坂桃李)とつながっていて味方なんだろうなと思ってましたが、やっぱりでした。




TBS  日曜21時

「御上先生」第9話、最終回


主演…松坂桃李

脚本…詩森ろば

演出…小牧桜(9)、宮崎陽平(終)




まず9話ですが、富永(蒔田彩珠)から救いを求める連絡があり、駆けつけた御上と次元(窪塚愛流)は、富永の家の事情を知ります。




障がいのある弟との関係性に苦しみ悩む

富永のために、御上は母親(梅沢昌代)と会うときに立ち会わせ、自分を兄の宏太と間違えている母親に自分は孝だと涙ながらに言いました。



母親にわかってもらえたかは分かりませんが、宏太のふりをせずちゃんと孝だと伝えることを諦めていたので、それを改めてちゃんと伝えようと思ったのでした。




それを見て、富永は弟から逃げずに自分もちゃんと向き合うことにします。

自分の隠したい面もさらして生徒を導こうとする御上に敬服しました。




一方、冴島(常盤貴子)は神崎(奥平大兼)と元教え子の戸倉(高橋恭平)に何があったかを明かします。




冴島は勉強が思わしくなくて追い詰められテストを不正入手したのをかばったのでした。

更に今は溝端(迫田孝也)がやっている古代(北村一輝)の不正の片棒を、かつては冴島がやっていて、それを知った同僚に脅されて、性被害にあっていたのでした。不倫ではなかったのです。




娘の弓弦(堀田真由)との面会もかなった冴島は、御上と神崎を信頼して不正の証拠となるデータを渡しました。

その中には裏口入学者のリストがあり、まだ在学している生徒も含まれていました。その子たちをかばうために公にはしなかったのです。




その中には3年2組の千木良(高石あかり)の名もありました。




9話のラストで怪文書を送ってきていた倭建命は槙野だとわかりました。




後輩の死をきっかけに槙野は御上と教育も文科省も変えるべく同志になったのです。




いよいよ証拠は揃ってきてあとはそれをいかにオープンするかでしたが、それには記事を出して裏口入学を明かしていいか千木良の同意が必要でした。




千木良は覚悟をもって御上たちの思いをくみとり同意してくれました。

千木良はどうすべきかも生徒たちは一緒に考えました。




何が正しいか答えの出ない質問でも考え続けなければならない。

御上は考える力をつけてきた生徒たちを褒めながらも、考え続ける力をつけてもらいたかったんだと明かしました。




人生を送っていくには答えの出ない質問は数多く立ちはだかりますからね。

これは卒業式の日も御上は生徒たちに話しました。




官房長官からの裏口入学の依頼をどうするかを相談する会食の場で、塚田(及川光博)、古代、中岡(林泰文)は一網打尽となりました。




メディアへの会見前に古代は、御上に自分だけが悪者として生け贄にされ、日本の教育は変わらないと嘆きますが、




古代の教育理念は生徒たちの中にちゃんと残るし、彼らが変えていくかもしれないと御上は答えます。




古代は今のシステムの中で改革をめざし、そのために清濁併せ呑んでしまったんですね。

ただの悪人ではない複雑な人物像を北村一輝は巧みに演じましたね。




日本の教育の問題点をあぶり出し世に問う有意義なドラマでした。

文科省の心ある若き官僚の方々へ良い刺激になってくれたら良かったのですが…




実際には改革は至難の業でしょうね。

しかし、考える力をつけるというのはできそうに思います。




松坂桃李は全く新しい学園ドラマの教師像を「引き算の演技」で演じ魅力的でした。再来年の大河ドラマ主演が楽しみです。




9話、最終回共に評価は…8