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連ドラについてじっくり語るブログ

連続ドラマでこれは面白いという作品のみをマメにチェック!

その内容紹介、批評、さらにヒット分析など、あらゆる情報を連ドラ好きの方々のために提供するブログです。

ホテルで働く高橋(角田晃広)が見た目は普通のおじさんでも実は宇宙人とわかり、今回はその高橋にあることを頼むことになるんですが、




それがバカリズム脚本らしく、そんなことを頼む?(笑)ってことで…




日本テレビ 日曜22時30分

「ホットスポット」第2話


主演…市川実日子

脚本…バカリズム

演出…水野格




清美(市川実日子)と幼なじみの葉月(鈴木杏)、美波(平岩紙)は相変わらずファミレスでだべっていますが、小学校の先生をしている葉月が困りごとを相談します。




葉月の小学校の体育館で、天井とワイヤーのすき間にバレーボールが挟まっていて、体育の授業の時にあのボールを落としてとせがまれます。




昔、バレー部で同じようになったボールを落とした経験のある葉月は生徒たちの前でやってみますが、落とすどころか更に2個ボールを挟んでしまいます。




その場はそれで諦めましたが、何とか落とせないかというわけです。

それで清美は高橋に頼むんですが、当初は嫌がっていた高橋も、言葉巧みに清美に言われて渋々OKします。




このやりとりがバカリズム調で面白かったですね。

角田晃広の苦虫を噛み潰したような顔が最高です(笑)




…で、夜に体育館に忍び込み、何度もジャンプして高橋はボールをすべて取ります。




清美たちは車で待機しているんですが、その時、校庭には最近いろんな学校で校庭に変なマークを描くいたずらをしている連中が、この学校でもやっていました。




すると、高橋は屋上から彼らにボールをスゴい速さで投げつけ次々に倒していきました。ボールが足りなくなった4人めは舐めてたアメを吹き飛ばして倒しました(笑)




アメコミのヒーローのように満月を背に屋上に立つ高橋は凛々しくて笑いました!




清美たちと帰る車中で、なぜ高橋が怒って彼らをこらしめたか、その理由もバカバカしくて笑いました。




また副作用が出るみたいですが、あのホテルの温泉に浸かれば治るようです。



そろそろ他の宇宙人も正体をあらわしそうですね。



2話の評価は…8



今のところ、冬ドラマで良い意味で予想を裏切ってくれた最大の作品です。




これは手ごわい作品が始まりましたね。

単なる学園ドラマの枠にはおさまりきれないスケール感と、難解な謎がはりめぐされていて、先の展開が読めない感じにたちまち魅了された初回でした。




TBS  日曜21時

「御上先生」第1話


主演…松坂桃李

脚本…詩森ろば

演出…宮崎陽平




脚本は松坂桃李が日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を受賞した「新聞記者」を藤井道人監督と共作した劇作家で演出家でもある詩森ろば。

連ドラはNHKの「群青領域」しか書いていません。




なるほどセリフのエッジのきき方がただならぬものがあるのは、そのせいだとわかりました。

松坂桃李が希望しての起用なんでしょうか。



文科省から派遣された官僚教師の御上が放つ言葉はどれも刺激的でした。



いくつか例にあげると…



「志だけで変えられるならとっくに変わってる。官僚が出世したいと思ったら、手を汚さずに上には行けない」


「この国の人は高い学歴を持ち、それにふさわしい社会的な地位や収入のある人間のことをエリートだと思っている。でもそんなものはエリートなんかじゃない。ただの上級国民予備軍だ」


「君が記事にしたことは『闇』ではなくただの『日常』だよ。そんな簡単に見えるものは『闇』とは呼ばない」



他にもまだまだありましたが、これくらいにしておきます。




御上は日本の教育を改革すべく、文科省の闇に迫ろうとして、左遷されてしまったのでしょうか?

どうやら同期の槙野(岡田将生)に裏切られたか、上司の塚田(及川光博)に疎んじられたか…でしょう。




そんな御上が派遣されたのは、予備校を経営していた古代(北村一輝)が作った歴史の浅い私立高校。東大入学者をどんどん増やしている進学校です。




担任の是枝(吉岡里帆)を副担任に追いやり、いきなり担任に。着任早々に御上は生徒たちを挑発しまくります。




エリート官僚のクレバーさを余すなく演じきる松坂桃李の演技が圧倒的です。

何かを成し遂げようとする強靭な信念を感じさせるブレない芯の強さのようなものが溢れ出ている魅力的な異色教師です。




オーディションで選ばれた錚々たる若手実力派たちが生徒を演じていて、1人ずつフィーチャーされていくんでしょうが、今回は父親が記者クラブの記者で、自分も報道部で教師の不倫を暴くスクープ記事を書いている神崎(奥平大兼)でした。



演じる奥平大兼は「恋する母たち」で宮世琉弥、藤原大祐と息子役を演じて注目した逸材。なかなかブレイクしきれてませんが力のある人です。




松坂桃李との共演は良い刺激になるでしょう。




御上は自分の起こした不祥事と、神崎が暴いたスクープと、冒頭に描かれた試験会場での殺人事件がつながっているとのことでしたが、どうつながっているんでしょう?





初回は旧態依然の記者クラブのあり方や、何もなしえない官僚のありようなど、シビアな社会批判が随所に盛り込まれていましたが、今後もこんな感じなんでしょうか?NHKでやりそうな骨太なドラマですね。




1話の評価は…8




このドラマは見ていてワクワクしますね。

何とか吉原に客を呼び戻したいという重三郎(横浜流星)の強い思いが、積極果敢に行動することで実を結んでいくプロセスを見るのは、実に心弾むものがありました。




NHK  日曜20時

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第3話


主演…横浜流星

脚本…森下佳子

演出…大原拓



前回、平賀源内(安田顕)に序文を書いてもらった吉原のガイドブック的な「吉原細見」は売れたことは売れたのですが、それが客足には結びつきませんでした。




置屋二文字屋の女将(かたせ梨乃)は重三郎にもう店をたたもうと思うと告げますが、へこたれない重三郎はもうちょっと待ってほしいと頼みます。




重三郎が考えたのは入銀本。今で言うクラウドファンディングのようなもので、吉原の遊女の格付けで金が集まれば集まるほどその本の前の方で紹介されるといいう仕組み。




なじみの客は花魁たちに頼まれて競うように金を出すので、たちまち資金が集まります。




花の井(小芝風花)に夢中の長谷川平蔵(中村隼人)も大金を提供し、遂に親の遺産を食い潰してしまいます。

その後は真面目になって鬼の平蔵になっていくんでしょうね。




集まった資金で、二文字屋に金を入れて店を救い、恩義に感じた女将以下、本作りに協力してくれます。




吉原の旦那衆たちも、自分たちは金を出さなくていいので入銀本には賛成します。




ただ1人、重三郎の養父の駿河屋(高橋克実)は本作りなんかにうつつを抜かすなと反対します。




しかし、だからと言うことを聞く重三郎ではなく、当代一の浮世絵師北尾重政(橋本淳)に遊女たちの絵を描いてほしいと依頼します。




ただ遊女の姿を描いても変わり映えしないので何かの見立てにしたらどうかと重政に言われ、




重三郎は遊女をそれぞれの特徴に合わせて花に見立てるのはどうかと提案します。



ツンとすましている花魁はわさび、客を腹上死させる花魁はトリカブトって具合です。




貸本で各店をまわっていて遊女たちを熟知している重三郎は次々に見立てていき、それを重政が絵にしていきます。




アイデアを出して…クリエイターと1つの作品を生み出していく名プロデューサーの誕生です。




扇屋(山路和弘)が駿河屋に話す重三郎評がまさにピッタリでしたね。



「目端がきいて、知恵がまわって、度胸もある。何よりてめぇがなんとかしなきゃってあの心根。誰だって手放したくはねぇわな」




旧知の仲の扇屋は駿河屋が重三郎にツラくあたるのは、自分の跡を継がせたいからで、重三郎の人間力の高さに気づいているからこそでした。




可愛さ余って憎さ百倍なんて人間らしいことをするな、俺たち忘八は忘八らしくしないと…損得ずくで頼む、この本はよくできてるぜ…




と、駿河屋に重三郎への理解を促す扇屋や粋でしたね。

ちょっとしびれました。

こういった逆説的なセリフはなかなか書けません。

流石!森下佳子です。




重三郎が江戸市中の男たちが集まりそうな所にサンプルを配るといったプロモーションも功を奏し、吉原に客がやってきます。



横浜流星ののびのびしたまっすぐさがよく活きた回でした。




成功の裏で、重三郎に出し抜かれた鱗形屋(片岡愛之助)は快くないようで、何か邪魔をしてきそうです。

男のねじれた嫉妬は怖いですからね。




あと怖かったのは一橋治済(生田斗真)。

田安家の当主治察(入江甚儀)をどうも暗殺したようです。怖い、怖い。




3話の評価は…8