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ドキュメンタリー頭脳警察 第2部(ネタバレ)

ドキュメンタリー頭脳警察 第2部※映画の説明などを追記しました(12/15)

三角絞めでつかまえて-頭脳警察2

2009/日本 上映時間103分
監督:瀬々敬久
出演:PANTA、TOSHI、重信メイ、三上寛、浦邊雅祥
(あらすじ)
太平洋戦争のさなか、従軍看護婦として働き、病院船・氷川丸で帰国したPANTAの母。その死をきっかけに、当時の氷川丸関係者を訪ね歩くPANTA。彼は重信房子の詩に曲をつけ、アルバムを制作。重信の娘メイを迎えてレコーディングを開始する。さらに、フセインの孫にあたる14歳の少年が、ひとりで200人の米兵と戦った実話を基に生まれた「七月のムスターファ」。その曲が披露されたライヴで、カメラは凍りつくかのような殺気を記録していた…。(以上、公式サイトより)

予告編はこんな感じ↓




60点


誰から支持されているワケでもない音楽映画強化月間もいよいよ大詰めということで、「ドキュメンタリー頭脳警察 第2部」を観てきましたよ。

第1部で結構グッときた僕的に第2部はかなり期待していたんですが…。正直、第1部ほどは感動しませんでした。氷川丸のくだりとか、興味がなくはないですけど、かなり冗長に感じました。重信メイさんとの共同作業シーンもちょっと…(重信房子さん絡みはもっと濃い話が見たかったです。メイさんが可愛いのは良し)。いや、これは第1部が終わったあとに流れた第2部の予告を観て、期待し過ぎたところもあるとは思いますが…。第1部より時間が経つのが遅かったです。

ただ、「響」や「陽炎」のライブシーンは素晴らしかったです。で、「陽炎」のメンバーたちの独白もかなり面白かったり(キーボードの中山努さんが語った、ライブツアー中に松山で「頭脳警察」の名前を使って宣伝されていたのを見て燃えた話とか最高!)。あと、TOSHIさんと三上寛さんと浦邊雅祥さんのステージの凄さ! 「この人たちは何をやってるの?」と混乱しました(良い意味で)。アレは本当にヤバかったですよ。「氷川丸」「7月のムスターファ」とか、好きになった歌も結構あり、まぁ、最終的には満足しました(でも骨折して座ったままのライブで映画が終わったのは、仕方ないことですが残念)。

第2部を見て、「3部作じゃなくて前後編でも良かったのでは」とも思ったりはしましたが、最後に流れた第3部の予告を見たら、ググッとテンションが上がりました。「陽炎」メンバーとの仲はどうなるのか? 第3部、かなり期待してますよ!





「ライラのバラード」とか名曲だらけですよ!
オリーブの樹の下で

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彼女が嫌いな人でも、読んだらきっとタメになると思うんですよ。
日本赤軍私史 パレスチナと共に/重信 房子

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実験室KR-13(ネタバレ)

実験室KR-13※映画の説明などを追記しました(12/17)

実験室KR-13

原題:The Killing Room
2009/アメリカ 上映時間99分
監督:ジョナサン・リーベスマン
出演:クロエ・セビニー、ティモシー・ハットン、ピーター・ストーメア、ニック・キャノン、クレア・デュバル、シェー・ウィガム
(あらすじ)
ある心理実験に協力するため4人の男女が実験室に集められるが、突然、被験者の1人が博士(ピーター・ストーメア)に銃で撃ち殺される。部屋のドアはロックされ、繰り出される問題に正解しないと容赦なく殺されるという。やがて、限界を超えた恐怖に彼らが理性を失っていく様子が、背後のモニタールームですべて記録されていた……。(以上、シネマ・トゥデイより)

予告はこんな感じ↓




15点


実験映画強化デーというワケではないんですが、「ウェイブ」に引き続き、「実験室KR-13」の感想も書いてみますね。まぁ、この公式サイトに書いてあるストーリーを読んでみてくださいよ。アメリカ政府がおこなったことで有名な洗脳プロジェクト・MKウルトラ計画こちらのサイトがオススメ。ちなみに映画評論家の町山智浩さん曰く、スティーヴン・キングの「ファイアスターター」の元ネタなんだとか)をベースにしていて、なかなか面白そうじゃないですか? でも、予想外にイマイチでした…。

治験だと騙されて3人の男性と1人の女性が一室に集められるんですが、突然、女性が射殺されちゃうんですね。で、ドラマが進むにつれて裏切りやら何やらがあり、さらに人が死んでいくんですが、一番気になるのは「どういうオチになるのか?」ってことじゃないですか。実験をおこなう側の視点で始まるので、「実は全員死んでいなくて新米女科学者を試すためのテストなのでは?」とか、「被験者のうち1人は向こうとグルなのでは?」とか、「残り2人になった段階で何とか脱出できて、後半はアクションになったりするのでは?」「実は今までのはすべて回想で…」などといろいろ妄想したんですが、結局、「この実験はアメリカがテロリストに向いている人材を選抜するためにやっていた」ってオチだったというね(今までのはすべて「選抜」段階で、次の実験に進むところで映画は終わる)。

正直、見終わって思ったのは、「もっと効率の良い選抜方法があるんじゃね?」ってことでしたよ。いくら“アルカイダに負けないくらい命を惜しまない愛国的なテロリスト”を作るんだとしても、とりあえず“4人中3人を殺すという非人道的すぎる手段”以外の方法がいくらでもあるような気がするのは僕だけじゃないと思います。実験の内容自体、テロリスト選抜に向いているようにも見えないし…。被験者たちに同情的だった新米女科学者が最後冷酷になるというくだりも、もうどうでも良かったなぁ。つーか、今さらですが、そもそも「本当の事件」みたいな宣伝文句はどうなのか? アンタたちが勝手に想像した話なのに、“本当にあったこと”にするなというか。

映画の雰囲気とか役者さんたちの演技は悪くはなかったんですが…。こういう映画って本当にオチが大事ですよね。もちろんこの映画が合う人もいるとは思いますが、僕はちょっとキツかったです。




ジョナサン・リーベスマン監督作。未見ですが、評判は良いんですかね? ちょっと面白そうと思ったり。



観たときは気付かなかったけど、MKウルトラ絡みの作品だったんですね。あまり面白くはなかった気が…。







THE WAVE ウェイヴ(ネタバレ)

THE WAVE ウェイヴ※映画の説明などを追記しました(12/17)

三角絞めでつかまえて-ウェイヴ

原題:THE WAVE (独:Die Welle)
2008/ドイツ 上映時間108分
監督・脚本:デニス・ガンゼル
出演:ユルゲン・フォーゲル、フレデリック・ラウ、マックス・リーメルト、ジェニファー・ウルリッヒ、ヤーコプ・マチェンツ
(あらすじ)
高校教師のベンガー(ユルゲン・フォーゲル)は特別授業週間で独裁制について学ぶクラスを受け持つことに。若くて生徒からの人気もあるベンガーは授業の一環として、生徒に独裁制を体験させようとある提案をした。それは授業中に自分を指導者とした独裁制を行うというもの。最初は嫌悪感を示す生徒たちだったが、やがてこれまでに味わったことのない一体感に興奮していく。そして生徒たちは自らを「ウェイヴ」と名乗って異物の排除を行うようになり…。(以上、goo 映画より)

予告はこんな感じ↓




45点


「es[エス]」の実験より数年前ー
恐るべき心理実験が、無防備な高校生たちに行われていた。
たった数日の間で彼らを集団狂気に走らせた、その戦慄の内容とはー?


どうです、実に興味を惹く宣伝文句じゃないですか? ドイツで公開されて大ロングランヒットとなり、2008年の興行収入ナンバー1を記録したドイツ映画「ウェイヴ」を観たのは先週なんですが、残念なことにもう公開が終わりそうな勢いなので、とりあえず感想を書いておきますね。

ストーリーは、生徒に人気がある高校教師が「独裁はなぜ起こるのか?」をテーマで授業を始めたら生徒がエスカレートして大変なことになっちゃいましたって感じ。1976年に実際にアメリカであった事件を元にした小説を元にした映画(ややこしい)ってことで、要は宣伝文句で引き合いに出されていた「es[エス]」と似たような作品なんですな。

で、感想も「es[エス]」を観た時と同じというか、ごめんなさい、「こんなこと起きないだろ」って思っちゃいました。その理由を僕なりに拙く考えますと、これまた「es[エス]」と一緒なんですが、題材が昔の話ということです。70年代は今より素朴な人が多かったワケで、今、同じ実験をしても、5日間という短い期間でそんなにエスカレートするかなぁと。授業内で「WAVE」という組織を作り、教師が指導者役になるんですが、とにかく登場人物たちがこの組織にのめり込むのがかなり早くて、現代ならよっぽど従順な人を集めないと無理な気がします。

僕が学生時代に「クラスで一丸となって何かを成し遂げる」という体験をまったくしなかったためかもしれませんが、「そもそも日本の教育ってこんな感じじゃね?」とも思うし。ホームページ開設したりとか、ロゴを作ったりはまだ良いとしても、ステッカーを作るのはさすがに早すぎるし、みんなで一丸となって街中にそれをベタベタ貼ったり、ロゴをスプレーしまくったりはちょっと…。あと、野球拳の前振りを思わせるダサイ敬礼は絶対やらないと思います。


野球拳の動画を貼っておきますね↓




まぁ、講堂で生徒を煽るだけ煽ってから「これが独裁だ!」と教師がハシゴを外すオチ自体は予想できたけど結構好きです。「今まで自分の居場所がなかった少年が暴走した挙げ句、絶望して自殺する」っていう悲劇も、ベタな感じですが嫌いじゃないです。ただ、教師とガールフレンドの仲が険悪になる辺りは心理描写が足りないと思ったり、「WAVE」に対抗する女生徒がコイツはコイツで問題に思えたりとか(観客に「WAVE」側に対して思い入れを持たせるためだとは思うけど)、やっぱりイマイチな点が多いですかね。

ただ、これも「es[エス]」を観た時に感じたんですが、僕は、“この映画の状況ではあり得ない”けど、当然ながら“こういうことは起こり得る”と思っています。だから、この手の映画が作られること自体は非常に良いことじゃないですかね。しかも、それがドイツで大ヒットというんだから、「二度とあの過ちは犯したくない」とどれだけ多くのドイツ人が思っているかが分かって、これまた良かった気がします。グダグダと書きましたが、「es[エス]」が好きな人は合うかもしれませんな。




スタンフォード監獄実験を元に作られた映画。アブグレイブ刑務所での捕虜虐待事件が引き合いに出たりしますが、それとはまたちょっと違うのでは。
es[エス] [DVD]



読みました。ラノベ風イラストと文字の大きさに少しガッカリ。
ザ・ウェーブ/モートン ルー










PUSH 光と闇の能力者(ネタバレ)

PUSH 光と闇の能力者※映画の説明などを追記しました(12/17)

三角絞めでつかまえて-PUSH

原題:PUSH
2009/アメリカ 上映時間111分
監督:ポール・マクギガン
出演:クリス・エヴァンス、ダコタ・ファニング、カミーラ・ベル、クリフ・カーティス、ジャイモン・フンスー
(あらすじ)
ムーバー(念動力)の能力を持つニック(クリス・エヴァンス)のもとに、ウォッチャー(未来予知力)の能力を持つキャシー(ダコタ・ファニング)が現われる。キャシーはキラ(カミーラ・ベル)という女性を探し出すことを手伝ってほしいと頼むが、彼らは謎の政府機関“ディビジョン”が放った特殊能力者に命を狙われ始める。(以上、シネマ・トゥデイより)

予告はこんな感じ↓




25点


超能力バトルって好きですか? 僕は大好きです。まだ小さいころ、劇場で姉と「幻魔大戦」を観て感動したっけ…。だから、サイクロップスの扱いの悪さにイライラしつつも「X-MEN」は毎回劇場で観ていますし、「ファンタスティック・フォー」も好きではあるし、アメリカドラマ「HEROES」も観ているワケです。ってことで、「PUSH 光と闇の能力者」も期待して観たんですが…。う~んといった感じの映画でした。

脚本は本当に酷いと思います。敵組織の行動がマヌケすぎるし、マクガフィンとなるスーツケースも結局そんなに重要じゃない…というか、なぜそれが世界を救うことになるのかまったく分からないまま終わるし、ラストはダコタ・ファニングの母親の予知能力者がすべてを予知していたってことなんですかね? ベタな「続編に続きます」って感じもキツイなぁと思いました。あまりヒットしていないのもうなずけますわ…。

ただ、念動力者のムーバー、予知能力者のウォッチャー、他人に記憶を押し込むプッシャー、物体を作り替えるシフター、超音波を口から出すブリーダーなどなど、いろいろな超能力者が出てきて能力バトルを繰り広げるのを観るのは、結構楽しいです。あと、ダコタ・ファニングが恐ろしく可愛いので(自分の死を予感して怯える辺りが最高!)、興味がある人は観ても良いかもしれませんぞ。もう公開が終わりそうですが。



「PUSH」の主人公はヒューマン・トーチの人がやっております。
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ポール・マクギガン監督はこんなのも撮っております。
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行旅死亡人(ネタバレ)

行旅死亡人※映画の説明などを追記しました(12/17)

三角絞めでつかまえて-行旅死亡人

2009/日本 上映時間113分
監督・脚本:井土紀州
出演:藤堂海、阿久沢麗加、たなかがん、小田篤、本村聡、長宗我部陽子
(あらすじ)
ノンフィクション作家を目指すミサキは、成果も挙げられないままアルバイトに追われる日々を送っていた。そんなある日、ミサキの名前を名乗った女が重病で入院したという奇妙な連絡が入る。ミサキは友人のアスカとともに女の入院している病院へ向かうが……。(以上、エイガ・ドット・コムより)

予告はこんな感じ↓




20点


「行旅死亡人」という映画を観てきました。

非常に耳慣れないこの“行旅死亡人”という言葉をウィキペディアで調べてみると、「飢え、寒さ、病気、もしくは自殺や他殺と推定される原因で、本人の氏名または本籍地・住所などが判明せず、かつ遺体の引き取り手が存在しない死者を指すもので、行き倒れている人の身分を表す法律上の呼称でもある」という意味だそうで。で、ストーリーは、ライターを目指すフリーターのヒロインが自分の名を騙っていた女性(死人)の過去を調べるウチに殺人事件に行き着くという感じ。僕はこのストーリーにちょっと興味が湧いたのと、井土紀州監督の作品を観たかったのと、日本ジャーナリスト専門学校(通称ジャナ専)が作ったというのにも興味があったので、観に行ったんですが…。

まず、雰囲気が安すぎるというか。予算がなかったんでしょうけど、本当に安っぽいです。暗幕を張った小さな部屋でゴチャゴチャ言い合うクライマックスとか、ショボくて辛かったなぁ。あと、音楽が流れていないシーンでは雑音が入りまくていたのも、上映中、気になって仕方なかったです。保険屋のオッサンが犯人夫婦の過去をダラダラ話すのも、もうちょっとうまく編集できなかったのかしら…。

脚本もかなりイマイチです。オチを書いちゃうと、ヒロインの名を騙っていた女性は、保険金を得るために夫と結託して他の女性を殺して自分が死んだことにしていたんですね。で、妻はその事実を隠すためにいろいろな人の名を騙っては職場を転々としていたと。で、実際の犯行時、夫婦は替え玉にする女性を浴室で殺し、その後、橋から落として“橋から落ちて死んだことにする”んですが、驚いたことに大した偽装工作をしないんですよ。橋から落ちた死体を確認して「これはまだアタシじゃない!」って、もう一度、橋の上から落としたりするだけ。で、夫の脚を石で潰すだけ。もちろん地方警察の捜査のズサンさはAV女優・桃井望さんの焼死事件などで分かっていることですが、あの程度の偽装を見抜けないほどバカじゃないだろうと思っちゃいます。いや、実際にあの程度の偽装でも見抜けないほどバカという可能性もありますが、少なくとも観客は納得させないといけないと思うんですよ。揚げ足取りとかじゃなく、ミステリーをウリにするなら、もう少し手口を練らないとダメじゃないでしょうか。

台詞回しも変だったなぁ。ヒロインの性格設定や台詞がちょっと酷くて、あまり感情移入できなかったです。あと、クライマックスでヒロインの友人が犯人を罵るんですが、それが「好きな女に携帯も持てない生活させやがって!」みたいな感じなんですよ。まぁ、ヒロインたちの年代からすると携帯への依存度は高いだろうし、言いたいことは分かるんだけど、「笑わせようとしているのか?」と思いました。ジャナ専が絡んでるなら、もう少ししっかりした脚本にしないとちょっと恥ずかしいんじゃないでしょうか。

まぁ、厳しいことばかり書いちゃいましたが、話自体は、土曜ワイド劇場あたりでやっていれば、つーか、そのくらいの予算で作れば、結構面白いんじゃないかと思います。役者さんたちもそれなりに頑張ってましたな。僕的には阿久沢麗加さんとか、実に自然な感じで良かったです。

というワケで、まぁ、心から興味がある人以外は観ない方が良いと思います。




井土監督が脚本で参加しているとか。正直、僕はイマイチでした。
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