勝手きままな美術用語解説・パート3 [ヴァルール] |   画家の雑記帳(編成版)
[ヴァルール]
まぁ、この言葉を完全に説明すると、
ややこしい&めんどくさい内容になるので、
(興味ある人は)どんな感じかといえば、
wikiでも見てください(笑)
http://ja.wikipedia.org/wiki/バルール
でも、たぶん、こういうのに書いてる説明だけだと、
専門外の人はまずわけわからん人が大半だと思うので・・、
くだけて書くと・・・、
たとえば、上手~い画家の、人物の顔の絵なんかでも、
画面近くでみると、おじさんの眉毛をちょんと黒で描いてるだけなのに、
離れてみると、『うわっ、ちゃんとリアルに眉毛みえる~』
といった感じだったり、そんなふうに、色そのものだけでなく、
ちょっとしたまわりとの位置関係や隣接する色どうしの相関性などで、
対象物の見え方がおのずと変わってくる。。
はたまた微妙なかすれとか、単色でも濃淡の使い方とか、
まぁそうした総合的なテクニックで、物体であれ、
光り加減であれ、的確に表現していける世界。
うまくそうした関係性がかみあってれば
バルールが合ってるという使い方がされ、
合ってないとバルールがおかしいねとかになる。。
いろんな絵にも当てはめれるけど、特に、写実絵画の世界なんかでは、
かなり絵画の根幹とされる部分なのでこのバルール性が要求される。

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ちなみに、作家向けの余談エピソード。。
かつて佐伯祐三が渡仏した際、
フォービズム(これもそのうち解説^^;)の
ブラマンクのもとを訪れ、自分の絵をみてください・・と言ったら、
「なんだこの絵、バルールがまったくあってないじゃないか~」
と即座にどやされたという逸話がある。。
という風に、ああいう乱雑チックに描かれた絵の世界でも、
バルールがどうかってすごく大事なこととなる。。
まぁ、佐伯さんのその後の進化がまた凄かったわけだけど。。。