名作と名作の隠れた繋がり。。 |   画家の雑記帳(編成版)
たとえばクリムトのフリッツア・リートラーの肖像は
ベラスケスの王女マリアテレサからヒントを得て描かれた。

(クリムト)


(ベラスケス)

古今東西、こういう事例は巨匠の絵画のなかでもよくあること。。
ピカソなどはある意味、剽窃の達人と言われるほど、
さまざまな作家の絵をモチーフに、自分の作品をたくさん
作ったりもした。。
また、いろんな作家で、絵画そのものはぜんぜん違うが、
明らかに名作の構図をうまく取り入れて描かれてるものなどもある。。
そういう点でいえば、美術の歴史は長いので、
過去の作品をたくさん知り学ぶことは、
制作のヒントの宝庫にもなりえたりもする。。

ここで、もう一点、ご紹介しておこう。。


コロー「真珠の女」

コローは19世紀フランスの近代写実派の画家にして、
のちの印象派のピサロ、モネ、セザンヌ、
そしてフォーヴィスムのマティス、ドラン、
さらにはキュビスムのピカソ、ブラックなど、
後に続く画家達にも多大な影響を与えたことで知られる。
この絵は、よく見ると、ダビンチの「モナリザ」と
ポーズが近似している。。

このように過去の名作などから、時には
モデルのポーズを引用した作品もよくある。
とくにこの絵に関しては、
ダビンチへのリスペクトなりオマージュの
要素も強いのではと思われる。。。
数多くの芸術家に影響を与えたコローも
ダヴィンチから大いなる影響をうけたといえる。。

美術史は、さまざなな芸術家同士の影響と作用の歴史
ともいえる、そんな側面もまたひとつにあるといえる。。