前回までに、血圧が上がる原因3つをみてきました。
今回は、「4.血液がドロドロして血流が悪くなる」です。
4.血液がドロドロして血流が悪くなる
血液ドロドロというと、脂質や糖分がいっぱい詰まった血液を想像しがちですが、そういうわけではありません。
何らかの原因で、毛細血管を流れにくくなった状態をいいます。
血液ドロドロの原因とは?
1.細胞成分が増える
熱中症など、からだが脱水状態になると、血液の液体成分も減少します。
すると、血液中の細胞成分のパーセンテージが高くなり、血液の粘度が増します。
2.赤血球が硬くなる
赤血球は細胞成分の中でも大きいもの。
でも、柔らかいため形を変えて、細い血管も通過します。
ところが、糖尿病が進行するなどすると、赤血球が硬くなり、狭いところを通りにくくなります。
3.血小板が凝集する
ケガなどで出血しても、血が止まるのは血小板の凝集作用によるものです。
水分不足、飲酒などにより、血管の中で血小板が凝集して塊になると、流れにくくなります。
メタボリックシンドロームでも、血小板が凝集しやすくなります。
4.白血球が血管壁にくっつく
白血球は、病原菌などを食べて、からだを病気から守ります。
そのため、からだに炎症反応があると、細菌を捕まえるため、粘着性を高めます。
すると、血管にもくっつきやすくなり、血管壁にくっついた白血球が血管を狭くしてしまいます。
病気のときに顔色が悪くなるのは、白血球が血流を悪くしているからなんですね。
ストレスや喫煙でも、白血球の粘着性が高まります。
生活習慣病と関係が深い血液ドロドロは?
- 2の赤血球が硬くなる
- 3の血小板が凝集する
です。
赤血球が硬くなる原因とは?
動物性脂肪に多い飽和脂肪酸は、赤血球の細胞膜を硬くして、変形しにくくします。
反対に、魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸は、細胞膜をやわらかくします。
「魚で血液サラサラ~」ってこういうことだったんですね!
また、糖尿病で、血糖値が高いときは、糖が赤血球にくっつきます。
そのため、血糖値の急上昇は危険なのですね。
血小板が凝集する原因は?
血管の内壁に傷ができると、修復するため血小板が凝集します。
そして、血流が悪い状態だと、血小板は、より凝集しやすくなります。
そして、何らかの刺激で、この血小板の塊が血管からはがれて血栓となり、細い血管を詰まらせると、脳梗塞など突然死の原因になります。
エコノミークラス症候群として、テレビ番組でもよくとりあげられますね。
血栓が作られるまでの所要時間は、わずか1分。
けれども、水分をじゅうぶん摂取すれば、この血栓は自然に壊れるそうです。
血液ドロドロと高血圧の負のループ
血液が流れにくくなると血圧が上がり、血圧が上がると血管が傷つきやすくなり血液がドロドロになる…
一つ一つはちょっとした体への負担であっても、繰り返されるうちに、命までもが危険になりますね。