芸能人別帳/竹中労② | YARDBIRD SUITE

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~チャーリー・パーカーの思い出~

再会した竹中労は、一刻なまでに「筆の人」であり「情熱の人」だった。書名のとおり芸能人について書かれた文章が収められ、掲載誌に応じて筆致も視点も異なるのだが、一貫して流れているのは「命がけ」の尊さだ。役者が河原乞食の精神を失うことを憂い、歌い手が歌以上に大切なものを持つことを憂う筆には、芸能を享受する側の愛が溢れている。いま、こういう人物がいない。いたとしても、世には出て来られない。なんと不幸で不毛な時代であることか♪