銀座界隈ドキドキの日記/和田誠♪ | YARDBIRD SUITE

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~チャーリー・パーカーの思い出~

東京生まれのぼくにとって、子供の頃から銀座は特別な街だった。一年に一回くらいは行っただろうか。よそ行きの服を着て、母に連れられイナカの子供が都会へ行くように、少し緊張しながら電車に乗った。広い道路を行き交う車、見上げるとめまいがするような高いビル、何を売っているのか分からないお洒落な店、テーブルマナーが要求される高級なレストラン。暮らしていた町には絶対にないものが、行き交う人の圧倒的な多さとともに、銀座には溢れていた。その銀座を舞台に、著者が身を投じた1960年代、黎明期のデザイン業界を描いたこの本、読んでいてワクワクした。かつての漫画家たちが綴ったトキワ荘日記を読んでいるようだった。そして、言うまでもないが、文章が素晴らしい。なんか面白い本はないかなー、と思っている方に、ぜひお薦めする♪