【演劇】「天の敵」イキウメ2017年春公演、マジで引き込まれました。釘付けですっ! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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舞台「天の敵」を観てきました。イキウメ2017年春公演です。

 

ストーリーは、

 

ジャーナリストの寺泊満は、菜食の人気料理家、橋本和夫に取材を申し込む。きっかけは妻の優子だった。


寺泊は難病を抱えており、優子は彼の為に橋本が提唱する食餌両方を学んでいた。当の寺泊は健康志向とは真逆の人間だが、薬膳や健康食品詐欺、擬似化学や偽医療の取材経験も多く、興味があった。


優子がのめり込む橋本を調べて行く内に、戦前に食餌療法を提唱していた長谷川卯太郎という意志を知る。寺泊はこの長谷川と橋本の容姿がよく似ていた事に興味を持ち、ある仮設を立てて取材に臨んだ。寺泊はプロフィールに謎の多い橋本は、長谷川卯太郎の孫で、菜食のルーツはそこにあると考えた。

 

橋本はそれを聞き、否定し、実は、橋本は偽名で、自分自身が長谷川卯太郎本人だという。本当なら122才になると話すのだった。

 

というお話です。

 

 

前川さんの作・演出の新作なのですが、やっぱり、脚本が面白いなぁ。全然、飽きないし、眠くならないし、観ていて、次はどうなるのっ!って前のめりになるくらいなんですもん。

 

舞台が開いて、最初は、良くある料理番組の収録風景なんです。先生は、口で話すだけで、ほとんど助手が作るという”アレ”です。とっても明るい料理番組の収録が終り、料理教室の生徒がジャーナリストの夫を連れてきます。そのジャーナリストは、健康志向の自然食品を推し進める、この料理教室の先生がホンモノかどうかを判断したいという事だったので、先生は、ぜひ調べ見て欲しいと話をします。

 

確かに、健康志向の食品とかって、怪しげなモノが多いですよね。あれが良いとかこれが良いとか、流行でいつも変わっていくし、特にダイエットの食品なんて、全部並べてみたら、何を食べても痩せるんじゃんって感じですもんね。そんな疑わしい料理家に妻がハマっているから、真実を暴いてやろうという気持ちが、このジャーナリストにあったんだと思います。でも、それが凄い展開になっていくんです。

 

 

そのジャーナリストは、実は難病にかかり、余命宣告までされていて、だから妻は藁にも縋る思いで料理家の食餌法を学びに来ているんです。でも、詐欺かもしれないと思って調べに来るのですが、これ、詐欺じゃないんですよ。真実なんです。確かに、その食餌法をすると永遠の命を得ることが出来るかも知れないんです。

 

料理家の橋本というのは偽名で、本名は長谷川卯太郎。122才になる男性なんです。122才というのに、とても若々しく、いや若々しいというよりも30代にしか見えないんです。絶対に嘘でしょと言って信用しないジャーナリストですが、話しを聞いて行く内に、それが真実だと解って行くんですよねぇ。

 

その真実を話す途中で、色々な小道具が出てくるのですが、何故か、これ読みますか?状態で「ポーの一族」がわざわざ置いてあるんです。もー、ツボでした。あ、一応、彼は吸血鬼じゃないですよ。ヴァンパイアでは無いのですが、そのワザとらしく置いてあるところが、大笑いだったんです。彼は吸血鬼では無く、人間なんですけど、でも・・・。

 

あり得ない話なんだけど、もしかしたらあるかもって思えてしまうような展開で、これは本当に面白かったなぁ。長生きしようと思ったら、直ぐに吸血鬼に結び付けるという安易な話ではなく、こんな方法もあるかも知れないよなって思わせてくれて、想像がどんどん進んでしまうようなお話でした。

 

 

この演劇、超!超!お薦めしたいと思いますが、既に終わってしまっているので、再演を待ちましょう。こんなに面白いなら、もしかしたら、他の媒体で公開もあるかも知れませんよ。
ぜひ、期待して待ちましょう。カメ

 

 

「天の敵」イキウメ2017作品  http://www.ikiume.jp/kouengaiyou.html