舞台「子午線の祀り」を観てきました。
ストーリーは、
歴史上名高い源平の合戦。次第に平家の旗色は悪くなるばかり。兄・平宗盛(河原崎國太郎)に代わり平家軍を指揮する平知盛(野村萬斎)は、一の谷の合戦で、源義経(成河)の奇襲を受け、海へ追い落とされる。以来、武将となって初めて自分に疑いをもちつつ、知盛は舞姫・影身の内侍(若村麻由美)を和平のため京へ遣わそうとする。
平家を支える四国の豪族・阿波民部重能(村田雄浩)は、三種の神器を楯に主戦論を唱え、知盛を立てて新しい日本国の存立を画策しようとする。知盛は平家滅亡を予感しながらも、後白河法皇の過酷な要求を拒絶し、徹底抗戦の道を選ぶのだった。
一方、源義経は、兄頼朝から目付役として遣わされた梶原景時(今井朋彦)と対立しながらも、源氏方の先頭に立って慣れぬ海戦も乗り越えますます勢いづいていく。
そしてついに両軍は壇の浦の決戦の日を迎える―。
というお話です。
源平合戦を描きながら、潮の満ち引き、月の満ち欠け、時の移り変わりを感じさせる舞台でした。
時間って残酷ですよね。昨日までトップを走っていた人が、次の日には、どん底まで落とされる。源氏と平家だって、天皇を排出するほど勢力を誇った平家が、関東の野武士のような源氏に入れ替わられてしまうんですもん。
戦争になり相手と対峙した時は、負けるなんて一つも思っていないのに、一瞬の内に勝敗が分かれて、一つの種族が滅んで行くというのは、哀しいというか、ため息が出るほど虚しいというか、何とも言えない気持ちになります。でも、いつまでも、グチグチやり合うよりも、犠牲者が出てもハッキリと決着が着いて、潔い気持ちもします。
この舞台は、ちょっと普通の舞台とは違っていて、何となく、歌舞伎っぽいというか、狂言っぽいというか、そういう古典っぽい感じが出ていて、珍しい雰囲気でした。それがとても心地よくて、まるで満点の空の元、澄んだ空気を吸いながら、外で演劇を観ているような気持ちにさせてくれるものでした。
そう、雰囲気が、私の好きな小説「百億の昼と千億の夜」のような感じで、引き込まれました。
私は、この舞台、お薦めしたいと思います。この舞台、とても人気のようで、チケットを取るのは難しいかも知れませんが、もし観れるようでしたら、ぜひ、この雰囲気を味わってみて欲しいです。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「子午線の祀り」
https://setagaya-pt.jp/performances/201707shigosen.html