舞台「イヌの仇討」を観てきました。
ストーリーは、
時は元禄十五年(一七〇二)十二月十五日の七ツ時分(午前四時頃)。
有明の月も凍る寒空を、裂帛の気合、不気味な悲鳴、そして刃に刃のぶつかる鋭い金属音が駆け抜ける。
大石内蔵助以下赤穂の家来衆が、ついに吉良邸内に打ち入った。狙う仇はただ一人。「吉良上野介義央」
ところが、やっとの思いでたどりついた上野介の御寝屋は蛻の殻だった。
上野介は、御勝手台所の炭小屋に逃げ込んでいた。
赤穂の家来衆が邸内を二時間にわたって、三度も家探しをしていた間、身を潜めていたというあの物置で、彼らの心に何が起こったのか。
果たしてどんな事実があったのだろうか。
というお話です。
この舞台、面白かったです。井上ひさしさん原作のお話なのですが、確かに、うんうんって思わせるようなお話なんですよ。だってね、吉良さんって、浅野の上司に当たる訳でしょ。その上司が、部下を虐めるのは解らないでもないんだけど、失敗させるほどの事をしちゃったらまずいでしょ。だって、自分の責任になっちゃう訳だから。部下の監督不行き届きってことになるでしょ。自分の評価も下がって、御役目を解任されちゃうかもしれない。だから、ある程度の意地悪はあったかも知れないけど、失敗させるほどの事はしていないと思うんです。
だけどね、浅野の資質ってのもあって、出来ない部下っているじゃないですか。何度言っても解らない、何度教えても覚えない奴って。頭悪いのかっ!って言いたくなるけど、そこをグッと抑えて教えなくちゃいけないけど、どうしても態度には出てしまう。それを虐めだと言われたら、もう、どうしていいか解らないっすよ。いや、マジでそういう奴いるからね。若い人だけじゃないですよ。オッサンでも居ます。もう、最後には、面倒になって、イイです、こちらでやりますって言ってしまうけど、そういうと、任せてくれないとか、嫌がらせだとか言われて、やってらんないっす。あー、グチが出ちゃったよぉ。でもね、吉良も一緒だったんじゃないかなぁ。
こらえ性の無い浅野が松野廊下で切りつけちゃって、おとり潰しになり、大石が仇討ちって事になるけど、それ、本当に浅野さんの為に行ったのかもわからないでしょ。自分たちに職が無かったから、取り立てて貰うためっていう説もあったりするし、不思議な話よね。
自分の親分が殺られたら、その分やり返すって事は解らないではないんですけど、そこまで浅野さんが人望があったのかどうかも解らないわよね。本当の事なんて分からないけど、でも、吉良さんにしたら、やっぱり迷惑な話ですよね。こんなに末代まで悪口言われちゃって。ただ、部下が能無しだっただけなのにって思っているかもしれない。今となっては、解らないけどね。
何事も、表と裏があり、一方の言い分だけを聞いていたのでは真実なんて解らないでよね。ちまたを賑わせている離婚騒動とか、不倫騒動とか、大体、騒ぐ方が隠したいことがあるから騒ぐ訳でしょ。弱い犬程良く吠えるって、良く言ったもんです。隠そうとして騒げば騒ぐほど、自らの嘘が見えてきてしまう。羞恥心を失くした人間ほど醜いものはありません。気を付けましょう。私も肝に銘じます。
そんな事を考えさせてくれる舞台で、とても楽しめました
私は、この舞台、超!超!お薦めしたいと思います。お時間があったら、この舞台は、ぜひ観るべきです。若いアイドル的な俳優さんは出演しませんが、本当に良く出来ていて、演技も素晴らしいです。安定の面白さ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「イヌの仇討」
http://www.komatsuza.co.jp/program/
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