「陰陽師0」若い清明はごっつ元気でした。馬に乗らないで牛車に乗ってゆるゆるして欲しかったなぁ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「陰陽師0」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

呪いや祟りから都を守る陰陽師の学び舎であり行政機関でもある「陰陽寮」が政治の中心となっていた平安時代。青年・安倍晴明は呪術の才能をもっていたが、陰陽師になる意欲も興味もない変わり者だった。ある日、彼は貴族の源博雅から、皇族の徽子女王を襲う怪奇現象の解明を頼まれる。

というお話です。

 

 

呪いや祟りから都を守る陰陽師の学校であり省庁でもある「陰陽寮」。学生の安倍晴明は、呪術の天才ながらも陰陽師に興味を示さず、友人も持たず、周囲から距離を置かれる存在だった。

 

安倍晴明は、子供の頃に両親を亡くし賀茂忠行によって育てられた。賀茂は清明に陰陽師としての才能を見出し、陰陽師となって都を支えて欲しいと思い、陰陽寮に入学させたのだった。実は、清明の父親は優れた陰陽師だったらしい。

 

 

ある日清明は、貴族の源博雅から皇族の徽子女王を襲う怪奇現象の解決を頼まれる。博雅はある寺で清明が行った怪異を見て清明に興味を持ったのだった。徽子女王を訪ねると、夜中、誰もいないのに琴が鳴り、どこからともなく金龍が舞い徽子女王を絡め取る。清明は呪術により光る龍を瓶に閉じ込め、事件を解決するのだった。

 

博雅は清明に感謝し、段々と信頼し友達となっていく。そんな中、陰陽寮の得業生である泰家がおかしな死に方をする。呪い殺されたのではないかとの疑いで、陰陽寮では泰家の死因を調査するようにとの命令が下る。この死は何かがおかしい。そして清明と博雅の周りに邪悪な呪いの空気が漂い始める。若き清明は平安の闇を払えるのか?そして呪いに隠された真実とは。後は、映画を観てくださいね。

 

 

陰陽師である安倍晴明の若い頃を描いた映画です。但し、本当の安倍晴明は40歳ごろにまだ得業生のままで50代でやっと陰陽師になれたという歴史があるので、この映画のように若くして都で力を振るうことは無かったと思います。但し50代を過ぎてからはその力を存分に発揮して、藤原道長や一条天皇に使えていたらしいですよ。

 

なので、この若い清明はフィクションだけど面白かったです。でも、夢枕獏先生の原作はほとんど読んでいますが、この清明のイメージは無かったなぁ。山崎さんの清明だと大人になった時に”野村萬斎”清明にはならないでしょうね。イメージ的に言うと”稲垣吾郎”清明かな。あんなに機敏に馬に乗ったりしちゃうと、ちょっと清明じゃなくなっちゃうんだけどなぁ。どちらかというと、ふわふわと牛車とかに乗ってそうなんだけどね。急がずに式を飛ばせばいいんだから。

 

 

今回の映画は、どちらかというと博雅メインだったような気がします。清明が活躍する場面はCGを使いすぎで陳腐に見えてしまうんです。もう少し何とかならなかったのかしら。博雅を染谷さんが演じているので、あれ?空海がこんなところに??と「空海 美しき王妃の謎」を思い出してしまいました。チェン・カイコーの映画もCG凄かったもんなー。現実離れしすぎちゃうんです。

 

話としては、若い頃のやる気のない清明に貴族の博雅が頼み事をしに来て、何となく気が合い、事件を解決するのにバディを組むというものでした。この二人のバランスはとても良いんです。呪術と頭脳を使うのは清明で、邪悪なモノを蹴散らすための高貴で清麗なるモノとして博雅の笛が役に立つんです。博雅は生まれも良く清い心を持ち続けている人物なので、邪悪なモノは彼の笛の音により払われてしまうんです。

 

 

今まで何度か陰陽師の映画やドラマが作られてきましたが、これほどしっかりと陰陽道とは思い込みや催眠術によるもので、魔法や呪いのような怪異ではないと説明してくれている話は無かったので良かったと思います。陰陽師というと、どーも魔法使いみたいな思われ方をしてしまうので、それは不味いんじゃないかなと思っていたんです。あ、清明は違いますけどね。

 

この映画で描かれているように、精神によるモノで身体に傷がついたり命まで失うということは、現実に起きるのではないかと言われています。SFなどでは沢山描かれていますよね。解りやすいのは「マトリックス」で、プログラムの中で死ねば元の身体も死ぬでしょ。あれと同じなんです。

 

 

この映画で精神世界で繋がっているというのは、マトリックスのシステム世界と同じなんです。この時代のように精神力(思い込み力)が強かった時代には、システムで繋ぐなんてことが無くても、精神世界で繋がることが出来たのだと思います。なので目を覚ますと何事も無かったかのように元の場所に戻っている。そういうことなんだと思います。

 

キャスティングが上手かったと思いました。有名どころが何人か陰陽寮の中に入っていたので、誰が犯人か解らないんです。推理サスペンスなどだと、一人有名な俳優さんが出ていればその人が犯人だろうと解ってしまうので面白くなくなるんですけど、今回は惑わされました。だって、小林さん、國村さん、北村さん、安藤さん、村上さんと、5人も怪しそうな人が揃っているので、誰が何の目的でと考えるとどの人も考えられるんですよ。そこは良かったですね。

 

 

あと、博雅と徽子女王の悲恋が良かったなぁ。お二人とも上手いので、思い合いながらも近づけないという関係が痛いほど解って良かったです。こんな悲恋があったから、大人になっても清明と博雅の二人で酒を飲んでいるんですねぇ。きっと平安時代なので妻はいただろうけど、でも想い人の事を考えながら男二人で酒を飲んでいたんじゃないかと思うと、何とも愛おしい二人ですな。

 

山崎さんの清明は悪くはないのですが、やっぱり彼には”キングダム”や”ゴールデンカムイ”の役の方が合っていたと思います。彼ですから上手く清明を演じていますが、どうしても強さが見えてしまうんです。清明は平安貴族を軽やかに煙に巻いて事件を解決し、普段はあまり動かない人物でないと式を使う意味が無いでしょ。ずっと座って周りの人間を動かすような頭脳戦を展開する人物であって欲しいんです。自分は動かなくてよいのよ。馬なんか乗っちゃダメです。(笑)

 

 

CGを使うのは良いのですが、やっぱりこういう古典で使うと、どれも同じようになってしまうんですね。観て直ぐに「空海」を思い出しましたもん。素晴らしく美しいんだけど、トーンが同じになっちゃうんですよね。鮮やかすぎて現実に見えないんです。CGで作って少し劣化させるとか出来ないのかしら。うーん、難しいですね。

 

人間の目って絵がキレイすぎると境界に線を入れてしまうのでアニメみたいに見えてしまうんです。絵画の基本は影を描くことでしょ。線で絵を描いていくんじゃないんです。何故ならそれが事実だから。線は真実なんです。この違い解るかなぁ。清明が説明していたことです。そこら辺が今後のCGの課題じゃないのかな。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。映画としては面白い作品に出来上がっていたと思います。キャストも良かったし、ストーリーも考えられていて楽しめました。今までの陰陽師のイメージがあるのでそれがネックでしたが、まぁ、合格点だと思います。私の清明にイメージと比べると、ちょっと元気すぎましたけどね。でも、気に入りました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「陰陽師0」