「人間の境界」難民の問題を2国間の国境での出来事で描いています。誰も悪人じゃないんですよ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「人間の境界」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの独占最速オンライン試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

「ベラルーシを経由してポーランド国境を渡れば、安全にヨーロッパに入ることができる」という情報を信じ、幼い子どもを連れて祖国シリアを脱出した家族。国境の森にたどり着いたものの、国境警備隊から非人道的な扱いを受けた末にベラルーシへ送り返され、さらにそこから再びポーランドへ強制移送されることに。一家は暴力と迫害に満ちた過酷な状況のなか、地獄のような日々を強いられる。
というお話です。

 

 

この映画は4章あり、1難民、2国境警備隊、3支援団体の活動家、4国境近辺に住む住人 を描いていますが、途中途中でそれぞれの話が交差していきます。

 

1.2021年10月、トルコ航空の機内でベラルーシに向かうシリア難民家族がいる。その家族の長男ヌールは窓側に座る女性レイラのメガネをかすめ取り、メガネが落ちたよと話しかけて窓側の席を変わってくれないかと話す。レイラは直ぐに代わってやり、一家の母親と話すと「空路でベラルーシへ行きポーランドへ抜けてから北欧へ行くんです。」という。難民の間では安全なルートと噂になっているらしい。レイラはアフガニスタンから兄のいるヨーロッパへ向かっていた。

 

 

ベラルーシへ着き弟が手配したというバンに乗り、国境へ向かう。国境と聞きレイラも一緒に乗ってきた。国境近くへ行くと、警備隊に呼び止められ、尋問を受けているとサイレンが鳴り、警備隊と運転手が”走れ”という。一家とレイラは言われるがままに金網をくぐり、ポーランドへと入っていく。

 

ポーランドへと入れた一行だったが、ほどなく国境警備隊に見つかり捕まってしまう。ポーランド警備隊は彼らをトラックに乗せベラルーシとの国境へ連れていき、無理やりにその金網をくぐらせてベラルーシへと送り返す。

 

 

2.ポーランドの国境警備隊であるヤンは妻が出産間近で慌てていた。そんな中警備隊の研修があり、上司に「難民はプーチンとルカシェンコの人間爆弾だ。」と教えられるがピンとこない。しかし実際に現場に出ると厳しい現実を見ることになるのだった。

 

3.ポーランドの活動家マルタはポーランド国境の森の中で難民の治療をしていた。妊婦が酷い出血で危篤のため救急車を呼ぼうとするが難民は助けられないと言われ、国境警備隊と共に来て欲しいというと受け入れられた。国境警備隊は難民たちをトラックへ乗せ、今度はベラルーシの国境へと送り返す。どんなに助けてもこの繰り返しのため、マルタは疲弊していた。

 

 

4.国境近くに住む精神科医のジュリアは車で移動中に警備隊に停められ近所の者だと言ってもIDチェックをされ、文句を言うと罰金まで科されてしまう。そんなある日、助けを求める声が聞こえ森に入ると、レイラという女性と少年が沼にハマっていた。救急隊を呼び、何とか助け出されるが、少年は死亡し、レイラは助かったが国境警備隊に連れていかれてしまう。あまりの非道に起こったジュリアはそこで出会ったマルタという活動家に協力を申し出る。

 

4つの出来事からそれぞれの人物が動き始め、ベラルーシとポーランドの国境間で起きている問題を刻々と描いていく。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、今、観るべき映画だと思いました。こんなことが起きていることを全く知りませんでしたし、報道関係も大きく取り上げてはいませんよね。今、難民、移民問題はどの国でも問題になっており、日本も他人事ではなくなってきているので、考えるべきことだと思いました。

 

まず、中東の問題により沢山の難民移民がヨーロッパに逃げていること。この映画で取り上げているのはシリアとアフガニスタンから逃げていく難民です。母国では戦争が起きているし危険だから逃げたいのは解るんです。本当ならスムーズに受け入れてあげたいんだろうけど、ベラルーシやポーランドが嫌がるのも解るんです。

 

中東情勢は宗教絡みでしょ。難民として来るなら宗教の問題をクリアにしてから来て欲しいと思うんです。例えば受け入れるとキリスト教の中にイスラム教でしょ。慎ましやかにしてくれれば良いけど、仕事中にお祈りを始めたり、街中で絨毯を広げて祈るんでしょ。その国の常識からハズれたことをし始めたら迷惑なんですよ。なので、イスラム教を辞めろとは言わないけど、その国に合うように彼らは変えるべきなんです。

 

 

映画の中で、ポーランドはウクライナからの難民は大切に受け入れているんです。不公平というけど当たり前じゃないの?隣の国で、生活環境やレベルもそんなに違わないでしょ。受け入れても国を変えるようなことはしないと思うんです。差別はおかしいというけど、自分が受け入れる方だったらと思えば解ると思います。

 

でも、ベラルーシとポーランドで難民の押し返し戦争が起こっているのには驚きました。ご近所に住む方々は気が気じゃないでしょう。だって、隣の森の中に沢山の難民がいて、どんどん死んでいくなんて思ったら恐ろしいでしょ。国境の森はビャウォヴィエジャの森と呼ばれ原生林が乱立し氷点下になる森です。湿った服などで寝てしまえば凍死をするそうです。

 

 

そんな場所に難民は両方の国から押されて閉じ込められているような状態です。前にも後ろにも進めず、食べ物も無く、死ぬしかありません。支援団体が近くまで来ますが、立ち入り禁止区域になっており、その地域には近所の住民しか入ることが出来ません。これは酷いと思いました。映画の中で近所の住民のジュリアが協力をしていましたが、こんな風に助けているようです。

 

受け入れたくないなら自分の国では受け入れられないから、知人に連絡を取ってそちらに行ってくれというか、とりあえず強制送還するしかないんじゃないの?森の中に閉じ込めておくのはおかしいでしょ。もし本当に政治的に問題があり亡命したいというなら別ですが、そうでなければ自国に帰るしかないと思うけど。

 

人道的というけど、そういって難民を受け入れてきたヨーロッパが、今どんな状態になっているかニュースで流れていますよね。テロが頻発し、街でも難民が暴れるなど自国民が危険にさらされる事態になっています。自分の国にいたら危ないから逃げたいのは解るけど、難民として受け入れてくれた国が自分たちに有利にしてくれないからと言って、テロを起こしたり、自国民に危害を加えるのは間違っているでしょ。遠慮しなさいよって言うことです。

 

 

遠慮が出来ないなら、自分たちで新しい国をどこかに作るしかないんじゃないの?イスラエルみたいに。彼らが戦争をして無理やり奪い取ったという言い方もあるけど、ユダヤ人が勝ち取ったという言い方もあるでしょ。自分たちが安心して暮らせる国が欲しいからでしょ。彼らは酷い戦いもしたかもしれないけど、それでも自分たちの国を作ったんです。ただ逃げ回ったんじゃない。

 

今、世界でこれだけ問題になっている難民。何故問題になり、ベラルーシとポーランドがこんなめんどくさい事をしなければならないのかを考えるべきだと思います。難民が可哀そうと思うだけでは解決出来ないことなので、根本を考えるべきだと私は思いました。

 

私、この映画を観ていて悪人はいないと思うんです。もちろん映画の中で虐めをしたりお金を取ったりする人は悪いです。でも、国境警備隊は国に言われる通り働いているし、それが国を守ることに繋がっているでしょ。難民を全て受け入れたら無法地帯になってしまいます。その国の常識と言われることを知らないんですから。国の秩序を守り、難民を受け入れるなんて簡単に出来ることではないんです。

 

 

可哀そうな難民を助けてあげたい、それは解ります。映画が訴えていることも重々解るんです。では、この映画を観て人々がどう考えていくかが大切なんじゃないかな。ただ、受け入れればいいではないんです。自国民を守り、その上で難民を受け入れることが出来るのか。その国のトップの能力が問われる問題だと思います。

 

ベラルーシは独裁国家なので難しいんじゃないの?ルカシェンコ政権終わらないよねぇ。どうなるんだろう。ポーランドはこれからどうしていくのかしら。カリーニングラード州(ここはロシアに支配されているらしい)との間に移民阻止のフェンスを作ると言っていたけど作ったのかな?今のところ、どちらの国も難民移民を阻止する方向で動いているようですね。

 

色々と考えさせられる映画でした。これは本当に観て欲しい。凄い映画です。これから日本でも起こっていく問題が、この映画の中にあります。アホな政治家が外国人を受け入れると簡単に言っているけど、日本人の安全が守られるのか、治安は維持されるのか、法律は守られるのか、よく考えてからモノを言って欲しい。

 

 

私はこの映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。この映画は私たちの生活に繋がってくる問題を描いています。ぼんやりしていると、10年後には夜に街中を歩けなくなる日が来るかもしれません。難民が危険というのではありません。考え方=常識が違うんです。それを解って受け入れる必要があるんです。この映画、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「人間の境界」