韓国映画 THE WILD 修羅の拳 (2023年) | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

 

TSUTAYA DISCAS

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生き残るのは誰だ――
終わりなき謀略、裏切り、殺戮の連鎖
ルール無用のバイオレンス・ノワール開幕

 

 

 

 

 

THE WILD 修羅の拳

 





THE WILD 修羅の拳
2024年02月16日(金)公開

 

映画 『THE WILD 修羅の拳』 公式サイト
 

 


THEATERS

関東地区
東京 シネマート新宿 ~2/29(木)

中部地区
愛知 イオンシネマ名古屋茶屋 ~2/29(木)

近畿地区
京都 アップリンク京都 2/23(木)~
大阪 シネマート心斎橋 2/23(木)~




DVD 発売予定日は2024年7月3日です。

 

 





Story ストーリー

かつて違法賭博場で試合中に相手を誤って殺害し、8年の刑を終えた元ボクシング選手のウチョル(パク・ソンウン)。釈放された彼を待ち受けていたのは、古き友人で犯罪組織の首領ドシク(オ・デファン)からの一緒に働かないかという誘いだった。「静かに生きたい」と提案を断るウチョルだが、偶然出会ったコールガールのミョンジュ(ソ・ジヘ)を守るため汚職刑事のジョンゴン(チュ・ソクテ)に拳を振るってしまう。ドシクとジョンゴンの取引により逮捕を免れたウチョルだったが、脱北者で構成された麻薬密売組織を仕切るガクス(オ・ダルス)を消すよう命じられる。退路を断たれたウチョルの命運は、果たして…。


 

アンニョン(^-^)ノ

いつも、ありがとうさんです…キスマーク

 

6日、『THE WILD 修羅の拳』を観てきました…カチンコ

殺人の罪で服役した元ボクサーが、平穏な生活を望みながらも再び黒社会に巻き込まれていく姿を描いた韓国ノワール。です。
 

もちろんパク・ソンウンさん主演なことは大きいけど、それよりも観ようと思った理由はオ・ダルスさんが出ていることですね。

 

スキャンダルが表沙汰になり、問題視された俳優さんには復帰できていない人もいます。

またそういったスキャンダルや、実際に過ちがあったのならそのことに対して、どの程度の罰が負わされるべきなのかも、そこまで明確ではないでしょうね。

実のところ私はそこまでオ・ダルスさんの不名誉なスキャンダルについて多くを詳しく調べたわけではないのですが ―― この出来事について調べて読むことも苦痛を感じるものです ―― オ・ダルスさんについてはハッキリとした結論は見いだせなかったように思います。

 

だからオ・ダルスさんが過去を通じてずっと正しく振舞われてきたかどうかはわかりません。

このことについて触れる時、私は言葉を選ぶのに慎重にならざるをえないのですが、オ・ダルスさんは過去のセクシャルハラスメントが報道されたあと、有名人であることでの制裁を受けたことは間違いないんですが、それが正当なものか、十分なものなのかはわかりません。

 

私は、どんな人も、自らの過ちに対して罰やペナルティを受けたのなら、自分のやったことは永久に消えないけど、ある時点で罪が許されて、もとのお仕事に復帰されていいと考えますが、しかし現実は何だかあやふやなので、こうと決めつけられないんですね。

オ・ダルスさんについても自分のイメージだけなんですよ。

オ・ダルスさん、何もなかったわけではないでしょう、と。

 

それでも私はオ・ダルスさんが俳優業に復帰できないのは厳しすぎるのではないかと思ってましたし、応援する気持ちも消えませんでした。

スキャンダルが報道される前に完成していた『偽りの隣人 ある情報員の告白』(2020年)が本当にいい映画だったので、残念で…オ・ダルスさんのせっかくのこれまでのお仕事まで台無しになるのはしのびなかった。

 

私は過去の韓国映画を何度も観ますし、そうなると、『10人の泥棒たち』(2012年)、『7番房の奇跡』(2013年)、『弁護人』(2013年)、『国際市場で逢いましょう』(2014年)、『ベテラン』(2015年)、『暗殺』(2015年) ―― とにかくオ・ダルスさんを必ず見ることになりますし、正直に言えば、以前とは違った目でオ・ダルスさんを見ています。

それは本当に残念なことでした。

 

2021年9月に日本でも『偽りの隣人 ある諜報員の告白』が公開されていますが、その後、『親の顔が見たい(I want to know your parents)』(2022年)、『ウンナム(Woongnami)』(2023年)が日本ではまだ公開されていないので、この『THE WILD 修羅の拳』が久しぶりに日本公開されるオ・ダルスさんの出演作です。

私はオ・ダルスさんの問題では釈然としないものが残ってますが、しかし出演作は観ようと決めました。

 

 

『THE WILD 修羅の拳』は日本での上映館が少なく…なぜか京都では上映されたんですが、アップリンクさんに感謝です。

 

観る前にざっとあらすじを読んで、内容を予想していたんですが、最初から予想とは違う映画だと思いましたし、観終えて、やっぱり自分が予想していたような作品ではありませんでした。

 

もっとアクション色が強いノワール作品かと思ってたんですが、違いました。

 

違法なギャンブルの対象になってるボクシングの試合があって、廃工場跡地のようなところで試合があるんですが、観客は少なく、でも大きなお金が動くようです。

ルールはあるんだろうけど、なんとなく「闘犬」をイメージさせる危険なボクシングです。

 

その試合で格上の選手を殺めてしまったソン・ウチョル(パク・ソンウン)。

彼は刑務所での8年の刑期を模範囚として務め上げ、出所します。

 

彼を待っていたのはチョ・ドシク(オ・デファン)。

ウチョルとドシクはいわば竹馬の友で、あの時のボクシングの試合でもドシクはウチョルを応援していた。

再会したドシクは犯罪組織のボスになっています。

ドシクの配下のパク・ハンテ(ソ・ジフ)、カン・ユンジェ(チョン・スギョ)もウチョルの出迎えに来ていました。

ハンテは何だか陽気な青年。

ユンジュはいかにもヤクザ者といった雰囲気の暗い男。

 

出所した夜、ホテルの部屋に入ると、ドシクたちがウチョルを喜ばせようと来させただろうボミという娼婦がいましたが、ウチョルは当惑したような態度で彼女に仕事をさせませんでした。

 

ボミは本名をチェ・ミョンジュという女性で手首を切ったあとがあり、自殺未遂を経験したようです。

彼女は薬物中毒のジョンゴン(チュ・ソクテ)という男と関係があり、酷い仕打ちを受けているようでした。

ウチョルは出会ったばかりのチェ・ミョンジュを不憫に思い、彼女を助けようとするのですが、しかしジョンゴンはドシクとつながりのある危険な男だった ―― というのが物語の始まりです。

 

まだこんなん、最初ですよ。

 

 

出所後は穏やかに暮らしたかったソン・ウチョルはカニ漁の船に乗ってこれまでの自分と決別したかったんですが、それからいろいろありまして…また暴力の世界に引き戻されていくことになります。

 

と、書くとホントによくある話ですよね。

でも先の読めない映画なんです…。

 

 

ドシクは違法薬物を扱っており、映画を観る限り、それが最も収益を上げる仕事なようです(その分、失敗すれば危ない)。

 

薬物は仲買業者リ・ガクス(オ・ダルスさん)の組織から入手するんですけど、リ・ガクスは一見、漁師さんみたいな見た目。

リ・ガクスは脱北者ですね。

で、オ・ダルスさん登場とあいなります。

 

想像していたよりも、もっと渋い…う~ん、暗い、とも違うかな、ガチャガチャしてない重い映画で、明らかに大人向きな作品です。

笑いはありませんし、爽やかさは皆無です。

内容的にも裏社会を舞台にした暴力、性暴力、薬物犯罪、殺人などドギツイので、それ系が苦手な方にはオススメできません汗

 

同じように素手の格闘に秀でた男が主人公ではあるけれど、『犯罪都市 NO WAY OUT』(2023年)を観たあとでは、どうしても地味ですが、しかし『THE WILD 修羅の拳』は『犯罪都市 NO WAY OUT』とはまた違う良さのある作品ではないでしょうか。

作品の色合いは全然違う映画ですね。

でもズバリ言うと、私は『犯罪都市』の方が好きな作風あせる

 

『THE WILD 修羅の拳』は主人公の性格がハードボイルドなんだと思います。

女性に対してストイック…もっと言えば照れ屋さんだし。

禁煙もしてるし。

 

ソン・ウチョルは試合の上とはいえ、相手を殴り殺してしまったことに強い罪悪感を感じています。

だからもう暴力は使うまいと考えてるんでしょうけど、彼がいる世界では彼が拳を使わずにはいられないんですね。

 

そんな中で出会った女性ボミ、本名チェ・ミョンジュ…ミョンジュは娼婦の自分に手を出さなかったウチョルに好感を抱いたでしょうし、ウチョルも彼女を好きになっていく自分を自覚していたかもしれない。

 

映画では前半、韓国のいわゆる「ルームサロン」の裏側が見れます。

もちろん私は詳しく知らないけど韓国映画にはよく出てくるお店ですよね。

ルームサロンで働く女性は時には体を売ることもあるようですが、それを拒否できるのかどうかはわかりません。

 

ミョンジュを気遣うウチョルの気持ちは周囲にも知れることになり、そのことでチョ・ドシクの部下であるカン・ユンジェとの関係が悪化します。

 

登場人物は多くなくって、でも、物語が進むにつれてその登場人物同士の関係が見えてくるのが面白いところです。

それぞれがそれぞれへの気持ちがあるけど、しかしそれはヤマ場を迎えるまでハッキリとはわかりません。

 

実は中盤からの謀略的な話はちょっと難しくあせる

映画自体も裏切りがテーマだし…本心が見えぬ~あせる

私は困ってましたが、でも、終わりに近づくにつれて物語が大きく動き、その時にはいろいろな感情で心揺さぶられました。

 

出所した主人公が巻き込まれていく裏社会モノですが、好きな方にはたまらない映画でしょう。

 

 

キム・ボンハン監督はご自分もちょっと裏社会っぽい雰囲気であせる…いえ、それはいいんですが、キム・ボンハン監督のこれまでの監督作は、この5作のようです。

 

2013年 ヒーロー THE HERO 監督

2017年 ありふれた悪事 監督

2020年 聞こえるんですか? 들리나요? 監督

2020年 国際捜査! 監督・脚本・製作

2023年 THE WILD 修羅の拳 監督

 

『ヒーロー』と『聞こえるんですか?』は日本未公開の作品ですね。

『ヒーロー』…せっかくオ・ジョンセさんの主演作なのにあせる

 

『聞こえるんですか?』は「コミュニケーション専門家」として知られるスター講師キム・チャンオクさんのドキュメンタリー作品のようです。

 

『ありふれた悪事』と『国際捜査!』については観た方も多いでしょうし、私も観てます。

ソン・ヒョンジュさん主演、チャン・ヒョクさんが悪役を演じた『ありふれた悪事』にはとても満足した覚えがあります。

 

『ありふれた悪事』や『国際捜査!』と『THE WILD 修羅の拳』を比較すると…どうなんでしょうね~、この3作ではキム・ボンハン監督の個性をこれですと言えませんが…3作とも違う映画なので…私は3作ともいいと思いますよ。

 

 

 

 

 

 

パク・ソンウンさんが出演したノワール映画としては、強いて言えば『新しき世界』(2013年)とはちょっと重なる話しかもしれません。

 

それにしても、『ザ・ガーディアン 守護者』(2023年)のボス役、そして『ジェントルマン』(2022年)の悪役…で、『THE WILD 修羅の拳』ですからね…1~3月は連続パク・ソンウンさんでした(日本での上映でだけど)。

面白いのは『ザ・ガーディアン 守護者』は出所したかつての仲間を迎える方の役で『THE WILD』の逆なんですよね~。

 

私は『鬼はさまよう』(2015年)の殺人鬼役がホントに怖くて憎たらしかったんですけど、『僕の中のあいつ』(2019年)や『ノンストップ』(2020年)といったコメディでの活躍が嬉しかったんですよね。

パク・ソンウンさんのコミカル演技はいいですよね~。

 

『THE WILD』のパク・ソンウンさんは寡黙でかっこよかったですよ。

 

まだ観てない『配信犯罪』(2023年)も観るのが楽しみです。

 

 

 

 

オ・デファンさんはよく知ってますけどチョン・スギョさん、ソ・ジフさんは知らなかったですね。

出演作は観ていましたが…ドラマを観られてる方々の方が詳しいと思います。

 

チョン・スギョさんが演じたカン・ユンジェなんか、前半はそこまでではないと思ったのに、後半では印象深かったですし、ソ・ジフさん演じるパク・ハンテも、裏切りの世界でナイーブすぎるキャラクターで好演だったんですよね。

 

もちろんオ・デファンさんも良かったです。

 

キャラクターそれぞれの「結末」が(暗い意味で)いいですよね…。

 

 

チェ・ミョンジュを演じたソ・ジヘ ―― 観る前は私の大好きな「女校怪談」4作目の『VOICE ヴォイス』(2005年)のあのソ・ジヘさんかと思ってたんですが、違う新人さんでした。

ハングルでは「서 지혜」さんで同姓同名みたいです。

 

チェ・ミョンジュ役のソ・ジヘさんは映画初出演だそうですが、ドラマはいろいろ出てはって、最新作は今年放送される『プレハブ家族』だそうですので、また観たげてください。

 

私はソン・ウチョルとミョンジュの関係がとても好きだったので、観ててどうなるのかとヒヤヒヤしてたんですけどね…最悪じゃねーかあせるあせるあせる

もう、気持ちが沈んでしまいいましたよ。

いや、映画としてはそれもいいんだけどさ~あせる

 

 

チェ・ミョンジュに薬物をやらせてモノのように扱う非道なジョンゴンを演じるのはチュ・ソクテさんという男優さんです。

 

時々、顔がイ・ジョンジェさんに見える時があるんですが、演技は「悪役を演じる時のキム・ジュヒョクさん」を彷彿とさせるものもあり ―― それも『毒戦 BELIEVER』(2018年)でキム・ジュヒョクさんが演じたハリムがよぎったのかもしれませんが ――  怖いんですが見ていたい演技でした。

 

ジョンゴン自身も薬物中毒で、そうとう危ういと思うんですけど、なのに頭は冴えてるんですよね~汗

でも薬物中毒なので先が長くないと思うんだけど汗

怖い人汗

 

 

オ・ダルスさんは海から薬物を運んでくる組織のリーダーであるリ・ガクスの役。

暴力的な犯罪者の役ですが、さすがだったと思います。

でも、久しぶりに見たからか、張りがなくなったというか、元気がないように感じてしまいました。

険しい道になると思うけど、また謙虚に再出発するしかないですね…。

 

もう一人、この映画でルームサロンの女性たちを仕切っている、その世界を知り尽くしたような「ハンマダム」という女性が出てきますが、彼女を演じたヨンスさんは作品が完成して公開されるまでの間に亡くなられたそうです。

 

 

この映画のパンフレットは販売されてません。

 

映画としては、なんだか古い時代の映画に思えました。

これまで観てきた韓国のギャング映画と重なる要素も多かったと思いますし、気分的にこのノワールな映画に今の私が乗り切れなかったところもあります。

 

でも結末に至る物語が素晴らしいと思います。

終わりの方はとても引き込まれました。

ああ、そうなるんか…と。

哀しい映画ですよね。

 

暗くて重いヤクザ映画がお好きなら向いてると思いますので ―― また是非。

 

今日もおおきに、ありがとうさんです…キスマーク

アンニョン…(^.^/)))

 



THE WILD 修羅の拳


原題:더 와일드:야수들의 전쟁 ザ・ワイルド:野獣たちの戦争 
英語題:The Wild


2023年製作/110分/5.1ch/シネマスコープ/PG12/韓国
韓国封切:2023年11月15日
日本公開:2024年2月16日
配給:クロックワークス
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監督・脚色:キム・ボンハン [第5作]
脚本:キム・ジュマン
製作:ナム・ジウン
撮影:キム・ジェソン
照明:パク・チソン
録音:ジョウジン
扮装:キム・ジンスク
編集:キム・ウヒョン、キム・ヒョンソ
音楽:モク・ヨンジン

出演
パク・ソンウン → ソン・ウチョル
オ・デファン → チョ・ドシク
オ・ダルス → リ・ガクス
チュ・ソクテ → チョンゴン
ソ・ジヘ → チェ・ミョンジュ
ソ・ジフ → パク・ハンテ
チョン・スギョ → カン・ユンジェ
イ・ジェウン → キム・サンファン
ファン・セイン → イェリ
ヨンス → ハンマダム [遺作]
ウォヌ → ヤンギ
カン・ヒョナ → 自転車女

 

 

 

 

 

 

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