銭の戦争　最終回（11話）⑥　韓国版とは違う結末！　早和子の釈放

富生と一緒に未央が無事に家へ帰って来て、喜ぶ洋。
ところが、富生はなぜか元気がない。
夕食は夕べ作りかけていた富生の母の自慢料理であるクリームシチューだ。
未央は「美味しい！」と言って頬張るが、
富生は、料理には手も付けず、まるで抜け殻のようになって座っていた。
洋が「食べないの？白石君」と言って声を掛けると
富生は「…わからなくて。この先、何をしたらいいのか」と無気力に呟いた。
そんな富生に洋は「白石君、覚えてる？君のお父さんの葬式で君が言った事。」と尋ねた。

富生は思い出した。
その場にいた一人一人を順番に指差して「あんたにも、あんたにも、あんたにも、あんたにも、おまえら全員の前で札束の山、
積み上げてやるよ！」と宣言した事を。
洋は「今でも、そう思ってる相手はいるかな？見返してやりたい腹の立つ相手は？」と聞いた。

そう言われて、それからの出来事を思い返すと、
あの時、自分が腹を立てていた人間は、もう、ほぼ全員が自分に謝ってくれた。
あの赤松でさえ、同じ辛酸を舐めた者同士として、自分の気持ちを理解していたのではとも思われた。
だから富生は「いいえ、誰も」と答えた。

「なら終わったって事だよ。君の怒りでどうしようもなかった時間は終わったんだよ。君の復讐はね。」と洋は言ってくれた。
「怒りとか恨みで突き進んでいる方が楽だった。」と言い、
「今の俺にはやりたい事が何も…」と空っぽになった自分を持て余す富生。

洋は「これから、じっくりと探せばいい。だって君は、君の人生を取り戻したんだから。」と言ってくれた。
その言葉で富生はようやく気が楽になって、クリームシチューを食べだした。

翌朝、無職になった富生は、いつになくゆっくりと寝ていたが、
未央がその安眠を妨げて富生を起こすと持って来た朝刊を見せた。
そこには青池早和子が５億円の保釈金を払って釈放されたという記事が掲載されていた。

その５億円を貸してくれたのは実は紅谷裕蔵（津川雅彦）であった。
留置場へ面会に来た紅谷は、
昔、ホームレスだった時に、
早和子が貸してくれた１万円で人生をやり直す事が出来たと恩義に思っており、
「その借りを返しただけだ」と言った。

しかし釈放されても青池会長には、スキャンダルの大きなツケが待っている。
早和子は現場復帰したとたんに、会社に詰めかけた大勢のマスコミに取り囲まれた。

銭の戦争　最終回（11話）⑦へ続く。

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