吉原炎上 ネタバレ・あらすじ・感想・疑問 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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吉原炎上 ネタバレ・あらすじ・感想・疑問

映画 吉原炎上 概要

1987年公開の東映映画。
主演の名取裕子(1957年生まれ)ほか、
二宮さよ子(1948年生まれ)、藤真利子(1955年生まれ)、仁支川峰子(1958年生まれ)、かたせ梨乃(1957年生まれ)と、
当時の知名度の高い女優で脇を固めている。

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映画 吉原炎上 ネタバレ・あらすじ

父親の海難事故の賠償金の不足分を支払うために、19歳で吉原の遊郭、中梅楼に遊女として売られた久乃。
煌びやかだけれど、底知れぬ不安に包まれた吉原という世界。
年季が明けるまでの年数は順調に行けば6年。
ここで生きていくしかないと覚悟を決めたつもりだったが、水揚げの客に抱かれる寸前で、怖くなって逃げ出してしまう。
この時、川に飛び込み、追ってきた男衆に取り押さえられて泣き叫ぶ久乃を、
救世軍(当時の社会福祉事業団)の活動中であった古島信輔が救おうとするが、久乃は連れ戻されてしまう。

実は、財閥の跡取り息子であった信輔は、その後、若汐という源氏名を名乗るようになった久乃のスポンサー兼馴染み客となる。
二人でいる時に、いつも優しい態度で接してくれる信輔だったが、1度も若汐を抱こうとはしない。
そんな信輔の態度に、自分の身が汚れているから抱きたくないのではと誤解する若汐であったが、
その一方で、それならば、何故、自分のスポンサー兼馴染み客でいてくれるのだろう?と矛盾も感じていた。

一年、そしてまた一年と経つうちに、若汐は1番人気の売れっ子になった。
そんな上り坂の若汐とは対照的に、1番~3番人気の先輩おいらんたちは、
年季が明けたり、信じて入れ込んだ男に裏切られた影響で自殺したり、病気になって亡くなったりで、次々に中梅楼を去った。
そんな中、久乃が初めて中梅楼に来た時から仲良くしていた遊女の菊川だけは、
庶民で、たいした金持ちではないが真面目な男に水揚げしてもらい、所帯を持ち幸せになったかのように思えた。
しかし、その菊川も、また、亭主の浮気が許せずに家を飛び出して吉原に舞い戻って来てしまう。

そんな中、紫という源氏名で、中梅楼の頂点に上り詰めた久乃は、おいらん道中をする事を、自分の目標にするようになっていた。
もう田舎から出てきた時のような弱虫ではなくて、こんな汚い世界でも、強く生き抜いてやるんだと意地を張り気負う紫。
好きでもない男に抱かれ続けなければならない自分人生の悲しみを、
吉原の人々に豪華絢爛なおいらん道中を見せつける事により
素敵なものであると認めさせ払拭したかった。

それは女のつまらない見栄と意地と言ってしまえば、そうだったのかもしれない。

そんな紫に「君は根っからの娼婦になってしまったんだな。」と冷たい言葉を残して信輔は去った。


信輔と入れ違いに、坪坂義一という羽振りの良い馴染み客が付いたから、紫の人気は翳りを見せる事もなく輝き続けていた。
その坪坂義一が、久乃を身請けしたいと申し入れてくれた。
坪坂義一は中年男ではあるが、妻と死別しているので独身だった。
だから、身請け後は正式に結婚しようと言ってくれて、愛人とは違い、肩身の狭い思いをする事もない。
にも関わらず久乃は「来年、おいらん道中をしたいから。」という理由で、この申し出を断る。

ほどなくして、紫の前に、去った筈の若さんこと古島信輔が再び現れる。
信輔は、財閥の一族から追放になってしまって、目の前に置いた大金が、その手切れ金であり全財産だと言う。
そして「この金で君を自由にしたい。」と申し出る信輔。
ところが、自分と夜を何度も共にしながらも1度も抱いてくれなかった事が引っ掛かっている久乃は、
この金を、なんと、おいらん道中の費用に使わせて欲しいと言い出す。
久乃を身請けするつもりで来た信輔は、気持ちを踏みにじられたと思い「君にあげたのだから、どう使おうと君の自由だ。」と言って、
失望して去って行った。

おいらん道中の当日。
一世一代の華やかな道中を終えた久乃は、信輔がまだ、吉原の羅生門河岸の長屋にいると聞きつけ駆けつけるが、
その家の前まで来たら、菊川に「あんたは、おいらん道中を選んだ時点で、信さんと別れたんだ。帰れ!」と足止めを食らう。
それでも久乃は「あたしが本当に惚れた男は、あの人だけ!」と食い下がって家に入ろうとする。
それで仕方なく菊川は、信輔には、もう愛し愛される新しい恋人(羅生門河岸の女郎屋での菊川の妹分のお春)がいる事を告げた。
その言葉に久乃は心打ち砕かれてトボトボと帰って行く。

数日後、信輔の事を諦めた久乃は、坪坂義一の身請け話を受け入れて、吉原を去ろうとしていた。
馬車が吉原の門を抜けて暫く走った頃、吉原で火事が出て、火の手が激しく燃え盛っている事を知った久乃は、
止める坪坂義一の手を振り切って、中梅楼の前まで駆け戻る。
炎上する建物や逃げ惑う大勢の遊女や客達の姿を目の前に、久乃は茫然と立ち尽くした。


実は、火元となったのは、あの信輔とお春がいた部屋で、その時、信輔は火事になるのをわかりながら、
ランプの傍にあった油が倒れたのを放置しお春と睦み合い続けていた。
共に死ぬつもりだったのだろう。
炎が激しく燃え上がっても二人は抱き合い続けていた。



映画 吉原炎上 疑問

《疑問1~主演女優の年齢》
名取裕子さんが、田舎から出てきたばかりの19歳の役だけど…正直、19歳の初々しさは…ない。
公開が1987年なので、ちょうど30年前だから、名取裕子さんの生まれた年から計算すると30歳だったんだから、そりゃ19歳の役柄は、かなり無理があるから
初々しくなくてもしかたないか~。
けど、映画の初っ端から、役柄に見えない人を見せつけられても、観客はストーリーに入り込めないのでは?

映画が公開された1987年に実際に19歳だった女優やアイドルを調べてみたら、菊池桃子、杉本彩、武田久美子などで、
彼女たちは、もう既にデビューして脚光を浴びていたと思われるのに、
何故、役柄に適齢で、なおかつ文句なく美しい彼女らではなく、
30歳の、ちょっと顔の長い名取裕子さんが主演でなければならなかったのか?

《疑問2~主役と先輩おいらんの年齢差が感じられない》
これまた年齢の話となり恐縮ではあるが、
概要のところに、おいらんの先輩の人達の年齢も書き並べておいたから、ご覧になればわかるように、
二宮さよ子さん以外は、3人とも、主演の名取裕子さんと同世代。
先輩と言っても、高校の先輩じゃなくて、二宮さよ子(1948年生まれ)、藤真利子(1955年生まれ)、仁支川峰子(1958年生まれ)は、
そこの置屋の売れっ子ナンバー3なので、2つ3つの年齢差とは違うでしょう?
二宮さよ子さんは実際にけっこう年上で、おかしくはないけど、後の二人は、実際にもそうだし、スクリーン上でも、やっぱり年齢差が感じられず、妙だった。

《疑問3~なぜR15指定ではないのか?》
裸で絡み合うシーンが所々にありますので、この点はホントに不思議なんですけど、年齢に関係なく、どなたでも見られるようになっていますね。

映画 吉原炎上 感想

吉原で1番~3番の売れっ子に上り詰めても、結局女の幸せが掴めない女性の方が多かったという事を伝えたかったんだろうと思う。
 主人公の久乃(若汐)も「この男こそ」と内心感じていた人とは、気持ちのすれ違いで別れるハメになったし。

ただ…久乃が田舎から出て来て、1番おいらんに上り詰めるまでが、あまりに早くて、エピソードも少ないので、ほとんど苦労していないように見えて、感情移入しにくかった。

おいらんや売春宿を主人公にしたストーリーは、成人女性向け漫画では人気ネタかして、
よくあるので、
それを読み慣れている私などからしたら、
上位3人のおいらんたちが、それぞれに不幸になって行く成り行きも、
ありふれたよくある話のように感じられてしまった。
もうちょっと一人一人のおいらんの、
男への恋情や、理想の幸せ像が伝わりやすく作ってくれていたなら感動出来たかもしれないけど、
私には、リアリティに欠ける作り話にしか見えず、この映画で感動する事は無理だった。

でも、吉原の風景や、言葉づかいや、当時の風俗描写や、
女優陣の着物の着こなしはとても良かった!


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