映画『異人たちの棲む館』概要・ネタバレ・あらすじ・感想 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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異人たちの棲む館 概要・ネタバレ・あらすじ・感想

異人たちの棲む館 概要

2012年公開のイタリア映画。
監督: フェルザン・オズペテク

あまり期待せずに視たけど、かなりの掘り出し物でした。
異人て何なのかしら?…って思ったら「幽霊」の事だった。
ならば、どうしてタイトルを『幽霊の棲む館』にしなかったのか?
それはたぶん…それだとホラーとかオカルトだろうと誤解されてしまうからかもww
ジャンルとしてはファンタジーですね~たぶん。

幽霊(複数名)と言っても、全く死んでる事に気付いていないので、人を脅かすわけでもなく、
むしろ、とっても温かいイイ人達♡

異人たちの棲む館 ネタバレ・あらすじ

繊細でピュアなハートを持つピエトロは、役者志望のゲイの青年。
今のところはまだ俳優デビューも果たせてはおらず、恋する彼との仲も、なかなか進展を見せないけれど未来に夢を持っていた。
そんなピエトロが賃貸契約を結んだ古い洋館に、アポロニオ劇団の劇団員と名乗る複数名の男女が姿を現し、当初は他人の不法侵入だと思う。
ところが、そのアポロニオ劇団は、第二次世界大戦の頃に活動していた今は無き劇団だと知るに至り、彼らが幽霊だと気付くピエトロ。

最初のうちは、彼らを恐がったり疎ましがったりしたピエトロだったが、同居を続けるうちにいつしか打ち解けて、ある日を境に彼らが揃って姿を見せなくなると、
とても寂しく感じて、大声で謝罪を叫んだりもした。

彼らに演技のアドバイスを貰ってからオーデションに挑んでも落ちたし、
一途に想いを寄せていた彼には、こっぴどい振られ方をするし、
医者からは妄想の症状に悩まされるノイローゼ患者と誤診されるし、
けっして人生は順調ではないけど、それでも、
幽霊たちとの優しい触れ合いがあるから、彼は悲観せず前向きに日々を暮らして行けた。
そんなある日、幽霊たちの気掛かりな事を解決すべくピエトロは、
かつてのアポロニオ劇団の仲間で、一人だけ生き残ったと思われる若手女優を探し出す。

そして、やがて明かされる若手女優のエゴな裏切り…そのせいで彼らは命を落とす運命となった。
それを聞いて、さぞかし怒るかと思いきや、アポロニオ劇団の連中は、なぜか揃って大笑い。
もう一つの気掛かり。
劇団の中の御夫婦の非常に危ない状況下で生き別れた息子さんの消息を、
ピエトロがネットで検索してあげて、
居場所がわかり、元気で暮らしている様子もわかり、夫婦は胸を撫で下ろす。

最後は、みんな館から出られるようになって、ピエトロも加わり揃ってバスに乗って、
最後に出演していた劇場へ。
無人の劇場へ入って、何十年ぶりかで、舞台へ上がって演目を演じる劇団員たち。
それを一人、客席で見つめるピエトロの目には、さまざまな想いが去来するのであった♪

異人たちの棲む館 感想

予算もたいして使ってないと思われるのに、さりげない日常の中の、役者さんたちのさりげない演技が心地いい。
幽霊たちの所作も、自分では生きているつもりなので、ナチュラルでイイ感じ♪
複雑な筋書ではないが、脚本も手抜きせず、キチンと伏線を拾い上げてオチをつけ、
最後まで丁寧に主人公の心を描いて静かに終わる。

悪人は、ほとんど出て来ない。
ところどころがコメディータッチで大笑いさせてくれるシーンもあり、優雅でレトロな髪型や衣装も見られて、なかなかサービス満点の映画でした。

ひさびさのヒットで5星満点で星4つ半!