映画『隣人は静かに笑う』の後味の悪さは『セブン』より上《ネタバレ含む洋画感想》 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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映画『隣人は静かに笑う』の後味の悪さは『セブン』より上

映画『隣人は静かに笑う』感想《洋画感想》

後味の悪い映画っていうのは、ラストの収まりが悪くてモヤモヤする映画とはまた違う。

視終った後に、ある種のダメージが、心に澱のように残ってしまう映画だ。

どうやら、後味の悪さにも、さまざまなパターンがあるようで、
今回、視聴した『隣人は静かに笑う』は、一般的なサスペンスとは異なり、真相は藪の中(映画視聴者には真相は伝えられている)という苦々しいバットエンド。

主人公は犯人の罠にはまり爆弾テロの最前線で死亡。

その上、死んで尚、真犯人からすべての罪をなすり付けられて、
残された一人息子は、
世間から後ろ指を指されて生きてゆかねばならないんだろうな…と悲しい想像のつく終わり方なのだ。

この世の中、冷静に考えてみたならば、確かに、主人公が作中で訴えていたように、必ずしも、人の世で最終的に結論付けられた事が真実だとは限らない。

「犯人」と断定された者は、何者かの都合によって「犯人へと仕立て上げられた者」かもしれないのだ。
その結果、いわゆる冤罪が誕生してしまうが、世間の人は誰も知らない。

そして映画の結末もまた皮肉な事に、
主人公自身が、
彼の訴え通りに、犯人として間違って断定され、
ニュースとなって、人々へとまことしやかに放たれてゆく。
恐ろしい事だけれど、このような事は、映画ばかりではなく、
私達の生きている現実社会にも、確かに有り得る事だろう。
そう考えれば、実にリアリティのある映画だったと思う。

映画『セブン』もまた、別の意味で後味の悪い映画だったが、
猟奇殺人に巻き込まれるよりも、
日常の中に善良そうな仮面を付けて隠れている、
こんな何処にでもいそうな狡猾な人物にハメられて、
冤罪を擦り付けられる方が、より可能性が高そうという事もあり、
私はこの映画『隣人は静かに笑う』の方が、より恐怖を秘めており、後味が悪いように思う。



映画『隣人は静かに笑う』ネタバレ・あらすじ

大学で歴史を教えているマイケル・ファラデー(ジェフ・ブリッジズ)は、ある日、路上で大ケガを負った少年ブラディ(メイソン・ギャンブル)を助ける。
ブラディの両親は、その事を大変感謝し、また彼らは、
最近、マイケルの家の隣に越してきたラング家という一家だとわかる。
この事が縁で、ファラデー家とラング家で、家族ぐるみの交流が
始まる。
ラング家の面々は、何処にでもいそうな穏やかな家族と思われ、
当初は、2年前にFBI職員だった妻を失った事で、心に傷を負ったマイケルも、9歳になる一人息子と共に、
彼らとの交流で癒されていた。

ところが、暫くすると、ラング家の夫のオリヴァー・ラング(ティム・ロビンス)に、さまざまな嘘の綻びが見えてくる。

オリヴァーに疑惑を感じたマイケルは、妻の元同僚ウィット(ロバート・ゴセッティ)に相談するが、取り合ってもらえない。
仕方なく自分で彼の過去を調べてみると、
オリヴァーは改名しており、ウィリアム・フェニモアという名の爆弾魔だったとわかる。
マイケルの恋人である大学院生ブルック(ホープ・デイヴィス)も
マイケルの疑惑を、考え過ぎだと言っていたが、
事の真相に気付いたとたんに交通事故で死んだ。

そして…まるで人質のように、オリヴァーの勧めで、
ボーイスカウトのサマー・キャンプに出掛けていたグラントが帰って来ず、マイケルは「これ以上嗅ぎまわると、息子の安全を保障出来ない。」と脅される。

だが、やはりいてもたってもいられず、
マイケルは、爆弾を積んだと思われる息子を乗せたリバティ宅配便のワゴンを、車で必死に追いかけ、ついにFBIのガレージに突入した。
ところが、爆弾が仕掛けられていたのは、そのワゴン車ではなく、
マイケルが乗っていた自分の車だったのだ。
気付いた時には最早、時間切れで、ドカーーーーン!!!
マイケルを含め多数の死者を出した。
FBIの不手際のせいで死んだ妻の復讐のために、
FBIを恨み、テロに及んだのだと、マスコミに、事実ではない報道を全国に流されてしまう憐れなマイケルであった。

一方、無傷なオリヴァーは、涼し気な顔で、妻と、次の街への引っ越しの相談をしていた。