ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その2 | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

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ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その1の続き。

ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その2



大部屋所属の先輩花魁、如月は、冷めていて突っ張っている風で、思った事をズバズバ口にする。
「あんな風だから、いい年して未だに部屋持ちにもなれないんだ。」と、お兼は如月を、厄介者呼ばわりしていた。

お兼が、挨拶だと言って久野を連れて、部屋持ちの花魁の部屋を偉い順から順番に回った。

店の筆頭である御職(おしょく)の左京は、ハッとするような美人で、久野は暫し、左京の姿に、ぼんやりと見とれていた。
部屋に置かれた調度品も、それはそれは見事なもので、田舎娘の久野にとっては見る物すべてが珍しい。
「おしげりなんせ(廓言葉で「頑張ってね」という意味)」左京は、おっとりとした優しい口調で話す。
お大臣のお馴染みが多いという左京。

二番目の二枚目は、花里で、彼女はちょっと品がない。
いつも馴染み客に買ってもらったかんざしや櫛を、他の花魁に売りさばいて熱心に貯金に励んでいた。

三番目の三枚目の紹介は、どうした事か?無かった。

その他、大勢の遊女が雑魚寝をしている大部屋は端部屋。
この部屋は、ざわざわと騒がしい。
寝たり、起きたり、食べたり、店に出る準備をしたりと、皆が一斉にする部屋だ。
食事は基本的に、ご飯とみそ汁と漬物は毎日支給されるが、それ以外のおかずが欲しければ、自分のお金を出して買わねばならない。

その他、暮らしに必要なすべてのものは、お金を出して買わねばならず、一見すると待遇の良いように見える部屋持ちも、家具や衣装を、店に借金して買い揃えており、おいそれと借金が減らない仕組みになっている事を端部屋の女郎たちが教えてくれた。

吉原は出入り口は大門ただ一つしかなく無断で大門を出て行く事は、けっして許されない。
それをしたら足抜けと言って厳しい罰が与えられる。
花魁が大門をくぐって外へ出られるのは年季が明けた時、身請けが決まった時、
親が死んだなどの特別な事情があった時の3つだけ。
「くれぐれも足抜けなどはせぬのが身のため。」と、お兼ねは、強い口調で久野に言って聞かせた。


提灯に火が点り、大門のネオン電球も点けられて、吉原の夜が始まった。
張り見世の柵の外から居並ぶ遊女たちを覗き、男たちが品定めをしている。
女は商品、男はお客。
華やかに見えて、そんな男尊女卑が当たり前の時代。
男衆らも、客の呼び込みから案内まで忙しく立ち働く。


10日後。
昼間の事。
久野が、謝罪で一杯の母からの手紙を読んで涙ぐんでいると「そんなんじゃ、ここで生きて行けないよ!」と言う声が背後から飛んだ。
如月である。
「ここで生きて行くには心も身体も凍らせてしまう事。それしかない。それが出来れば、こんな所でも生きて行ける。行き抜いて行ける。」
冷たい人のように見えて、如月なりの精一杯のアドバイスをしてくれていた。
案外といい先輩なのだ。
この後、久野は如月に聞いて、一人で「花魁道中」を見物に行った。
桜の花びらが舞う目抜き通りを、ゆっくりと優雅に進む花魁はそれはそれは美しく、そして、この時ばかりは精一杯に輝いて誇らし気でさえあった。

見物中、久野は、自分と同じ年恰好の娘、浅井雪乃と知り合う。
雪乃は、吉原一と言われる大店の近江楼の女郎見習いで、どうやら久野と同じような時期に、この地へやって来たらしい。
雪乃は、前向きで明るく屈託のない娘で、二人はすぐに打ち解けた。
けれど久野は、雪乃の腕に殴られたアザがあるのを見てしまった。


源氏名も若汐と決まり、役所より営業許可も下り、健康診断も済ませ、もう今夜からでも、店へ出られるようになった久野だが、嬉しいと言うよりも怖い。
化粧をしてもらって髪を結い衣装を纏うと、自分でも見違えるように美しくなった。
張り見世に出て身を固くしていたが、瞬く間に客から指名が入り、初仕事に挑む事となった。
実は、久野には、故郷に将来を誓った幼馴染がいた。
名を岡部勇吉と言い、半年前には、横須賀の海軍に入ると言って故郷を出て行った。
久野にとっては初恋の人で、今でも勇吉の事を想っていたが、彼との夢は叶わず、これから自分は処女を他の見ず知らずの男に捧げようとしている。
それは、とても悲しく辛い事の筈であったが、如月が言うように、身も心も凍らせようと意識して、男の待つ部屋へと向かった。
そして…身を固くして必死で目を閉じたままで試練の夜に耐えた。

夏が来て、この町の暮らしにも少しは慣れた頃の事、
若汐は、検診帰りに道でばったり雪乃に会った。
雪乃も、白妙と言う源氏名をもらい、互いに、そんな呼び名は慣れないと笑い合う。
家族の話になると、雪乃は両親と祖母と弟と妹が2人ずつの大家族だと言った。
二人でいる時はすっかりと少女に戻りいつも笑いながら話が弾む。
雪乃が「※4花いちもんめ(花一匁)」という歌の意味を話し終えた時に、足抜けをして追いかけられている花魁を見た。
[※4 一般的には価格一匁[注釈 1]の花を売り買いする際のやり取りだとされるが、「花」は若い女性の隠語であり、一人が一匁を基本とする値段で行われた人買いに起源があるとの説もある。」

逃げた花魁は鶴尾と言い、追手の男たちに追い詰められて、懐から小刀を出して「逃げ切ってやる!」と叫ぶと自分の首を切った。
血しぶきが飛び、鶴尾は切り口を押さえながら道の上に倒れ込むと悶え苦しんだ。
手当をするでもなく、もう使い物にならないと思ってか、男たちは、その場を去ろうとした。
去り際に、青い顔をして、その出来事に見入っていた若汐と白妙に気付くと顔に血しぶきを浴びた男が
「お前たちも女郎か。ならよく見ておけ。足抜けなんかしようとしたら、どういう事になるのか。」と言って、ゾロゾロと去って行った。

ある夜の事、夕凪楼を、勇吉が訪ねて来た。
勇吉は、張り見世の外から若汐を、怒りとも驚きともつかない目つきで見つめていた。
その後、若汐を指名してくれた勇吉を、若汐はどんな顔をして迎えて良いやらわからずに、ずっと俯いたままで目も合わせずに襖を開けて部屋に入った。
「そんなとこに突っ立っとらんで座れよ。」と言った勇吉の声は、荒ぶる事もなく穏やかなものであった。
勇吉は「妹が手紙で教えてくれたので久野が、ここにいる事がわかった。」と言った。
久野は今の自分の境遇と身なりを恥じ入り「こんな所で、こんな恰好で会いたくなかった。」と俯いたままで言う。
すると勇吉は「どこにおっても、どんな格好をしていても、ひーちゃんはひーちゃんじゃが!」と懐かしい呼び方のままに、優しい言葉を掛けてくれた。
その温かい言葉にやっとの事で久野は、顔を上げて勇吉の顔を見る事が出来た。
勇吉が「あの時の約束覚えとるか?」と聞き、今も同じ気持ちであると言うので、久野は勇吉の優しさにすっかりとほだされる。
そっと抱き締められて「やっぱり、ひーちゃんじゃ。ひーちゃんの身体は海の匂いがする。」と言われると、もう爪の先ほどの疑いようもなく、久野は勇吉の言葉を信じた。


冬が来る頃には、若汐は早くも部屋持ちとなる。
そんなある日の事、若汐が沈んだ顔でいると、如月が来て、此の頃、勇吉が訪ねてくれない事で気の晴れない若汐の胸の内を言い当てた。
そしていつものように痛烈なアドバイス。
「花魁は男に惚れさせるもんであって、惚れたりしたら地獄だよ。」と。
けれど若汐がもし本気ならば
「1人の男に惚れて惚れて惚れ抜いて、地獄の炎に焼かれるのもいい。」とも。

その如月には近頃、羽振りのよい馴染み客がついていた。
如月も、その男の事が気に入っているようで、彼の前では、これまで見せた事のないような晴れやかな笑顔を見せていた。

その夜、初雪が降り、若汐は如月と二人で、
漆黒の空から舞い落ちるその雪を眺めながら
「もし地獄に落ちて火に焼かれても、一人の男の事だけを想い生きて行く覚悟を決めた。」と告げた。
「待っていたら、いつか必ずそういう日が来るよ。
心も身体も溶けて火になる日。」
夜空を仰ぎながら、そう言った如月もまた、胸の中に、火になる覚悟を秘めていた。
どうしたのだろうか…そう思って、若汐が如月の横顔を見つめていると、それに気づいた如月は、フッと笑いを洩らして踵を返し、男の待つ部屋へと行こうとした。
だが、ふと歩みを止めると、思い出したように振り返り
「若汐ちゃん…ちゃんと生きて、必ずお母さんに会うんだよ。」と言い置き…それが若汐が如月と言葉を交わした最後であった。
その時の如月の様子がどうにも気掛かりで寝付けずに、若汐が夜中に如月と客のいる部屋の襖を開けて見ると、2人は手を取り合い死んでいた。

重クロム酸カリン服毒での心中であった。

ドラマ 吉原炎上 観月ありさ ネタバレ~その3へ続く。

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