映画 ブルージャスミン あらすじ・ネタバレ | 映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

映画 ネタバレ・あらすじ・結末 最終回まで~ドラマもね

映画のネタバレ・あらすじ・キャストを最終回までや日本、韓国、中国、米国の映画・ドラマから面白いものを選んでネタバレ・あらすじ・感想を書いています。 

洋画のご紹介です。

映画 ブルージャスミン あらすじ・ネタバレ・感想



映画 ブルージャスミン 概要


2013年のアメリカ映画。
監督:ウディ・アレン
脚本:ウディ・アレン
主演:ケイト・ブランシェット
ジャンル:ペーソスコメディ
上映時間:98分

ブルージャスミンは花の名前ですが、この映画では主人公の名前でもあります。
青みがかった花の形がジャスミンの花に似ているのでブルージャスミンという名のついた花があるのですが、この映画の主人公ジャスミンが、悲しい気持ちに沈んでいる事と、この花の名をかけたようです。

映画 ブルージャスミン ネタバレ・あらすじ



お金持ちの夫ハル・フランシス(アレック・ボールドウィン)と結婚し、マンハッタンでソーシャライトに成りすまして優雅な暮らしを送っていたジャスミン(ケイト・ブランシェット)。
ハルには連れ子のダニーがいたが、ジャスミンはこの子とも打ち解けて家族3人、仲良く暮らしていた。

本当のジャスミンは施設で生まれ、同じ施設から同じ家に里子に出されて共に育ったジンジャーとは姉妹の間柄であった。
だが、社交界の花となったジャスミンがむろん、そんな自分の育ちについて周囲に語る事はなかった。

何不自由ない優雅で誇らしい日々を送っていたジャスミンであったが、ある日、突然に全財産を失い無一文になる。

事の発端は夫の浮気だった。
いや、浮気と言っても、最後のそれは、今まで、あちこちの女と度々繰り返された“火遊び”とは違い、
親子ほど年の離れた小娘にのぼせ上ったハルは
「今度ばかりは真剣なんだ。僕たちは愛し合っている。これからは彼女との未来のビジョンを考えてゆきたい。」とジャスミンに宣言したのだった。
この宣言により、
彼の女癖の悪さを薄々は勘づいていても、今まで、ずっと見て見ぬフリをして我慢して来たジャスミンの堪忍袋の緒が切れた。
どうせ捨てられるのなら…と破れかぶれな気持ちになったのかもしれない。
ジャスミンはすぐさまFBIに電話をして、これまでの夫の投資詐欺や不正行為のすべてを、洗いざらい通報してしまった。

表向きは有能な実業家であり、誠意あるソーシャライトとして、
地元の学校や福祉施設に多大な寄付をしてきたハルだったが、
その裏の顔は人を欺いては財産を奪い取ってを繰り返し、
巨万の富を築いたダークヒストリーの持ち主だったのだ。

陰の悪事が発覚し警察に逮捕されたハルは、収監されていた獄中で首を吊って自殺した。
その後、ハルの財産はすべて国に差し押さえられて、ジャスミンは、ほぼ無一文で、住む家すらも失い、
サンフランシスコに住む妹を頼って、なけなしのお金をはたきファーストクラスに乗ってやって来た。

もう身分もお金もないのだから、気持ちを切り替えて生き直さなければいけないのに、
ジャスミンは、これまでの上流ぶった暮らし方の癖から、なかなか脱却出来ないでいた。
それに…時々、過去の裕福だった頃や、悔しかった時のシーンが脳内で再生されてしまい誰もいない空間に向けてペラペラと独り言を喋ってしまう。
心のバランスを失って、そんな風に少しおかしくなっていた。

ジンジャーは、ジャスミンとは対照的な性格で、庶民的で明るく、男性の社会的地位に拘って品定めするような事もない。
根に持たない性分なので、過去に、元夫が、宝くじで当てた大切な20万ドルをハルに騙し取られてしまった事も「姉は知らなかったのよ。」と恨みに思っていない事から、今回も行くあてのないジャスミンを快く家へと迎え入れる。
ジャスミンとて、過去を水に流して自分を受け入れてくれたジンジャーに感謝して、それなりに気を遣いはしたが、付き合う男のダメ出しに関しては容赦なく、別れた前夫オーギーの事も、今の彼氏のチリの事も「ああいう、うだつが上がらない男はダメよ!」とボロカスに言うのであった。

これから先、どうするのかと問われて、ジャスミンは「大学へ行きたい。」とか「資格講座を受けてインテリアコーディネーターになる。」など、無一文で無職という現実から掛け離れた事ばかり言う。
それを聞いたジンジャーが呆れて「何をするにもお金が必要なのよ。」と言うと、それもそうかと、やっと理解して
「そんな誰にでも出来るようなつまらない仕事はやりたくないわ。」と拒否していた歯医者の受付へと就職を決める。

「インテリアコーディネーターの資格はネットで講座を受けて取ればいい。」と思いついたもののPCが全く扱えないので、歯医者の受付の仕事の合間に、まずはPCの学校へ通いだす。

ところが、数日もすると、勤め先の歯科医が、ジャスミンに言い寄って来て、無理やりキスをされ押し倒されたので「もう我慢出来ない!」と、医者を突き飛ばして歯医者受付職をやめてしまった。
その顛末を、PC学校で出来た友達に話すと、友達がおおいに同情してくれて「今度、裕福な人達が集まるパーティがあるのだけど一緒に行かない?」と誘ってくれた。
もちろん、ジャスミンはこれぞ起死回生のチャンスとばかりに、パーティに行く事を決めるが、そのパーティにジンジャーも誘い出す。

ジャスミンとジンジャーの姉妹は、このパーティで、それぞれ一人ずつ新しい男をゲットする。

ジャスミンが見つけたのは将来、政治家になる展望を持っている裕福な外交官ドワイト・ウェストレイク。
ジンジャーが新たに出会ったのは、禿げで精力絶倫の音響エンジニアのアルだった。

姉妹のそれぞれの恋愛はどちらも順調に運ぶかと思われた。
しかし、ジャスミンの方は、彼に気に入られたいがために都合の悪い話はすべて伏せ、過去と未来を見栄をはって偽りで改変した事が、ひょんな事からバレてしまい、彼を怒らせてフラれてしまう。
またジンジャーは、チリよりも、アルの方が稼ぎがいいので乗り換えようとしていたが、アルが既婚者である事が発覚して、あっさりとチリと元サヤに収まる。
ジンジャーの方は、チリが彼女にぞっこんなので、
彼女の一時の心の迷いで済んで、再び仲睦まじい姿を見せていた。
片や、ドワイトと結婚を約束し、夢のような新居を見せられて、指輪も選び終わり、再び上流社会に返り咲こうとしていた寸前で破談になったジャスミンは、深い孤独と悲しみの中にあった。
ハルと結婚していた頃、義理の親子関係にあったダニーが、今は古楽器店に勤めていると聞いて会いに行くが「父親の詐欺も許せないが、僕がもっと許せないのはあなただ。」と自分が裕福な暮らしを続けたいがために詐欺を黙認していた事を詰られて「二度と会いたくない!」と、けんもほろろに拒絶されてしまった。

放心したようにジンジャーの家に戻ったジャスミンは「ドワイトと結婚し、セレブとしての生活に戻るので出て行く。」と告げて、身一つで家を出るが、どこにももう行くあてなどあろう筈もない。

茫然とベンチに座り、再び独り言を喋りはじめるジャスミン。
プライドが高く、自らの虚栄心を守るために、心のバランスを崩し、壊れてしまった可哀そうな女。


映画 ブルージャスミン 感想



うーん、なんだろうね。
貧しい育ちゆえに、金持ち男を捉まえて上流階級の仲間入りを果たそうとする女の話って韓国ドラマにはよくあるんだけど、アメリカの映画やドラマには珍しいシュチェーションではないかと思われる。
しかも、この映画は、そうした貧乏からセレブへの逆転人生の痛快さを描いてるわけぢゃなく、虚栄心にばかり囚われて生きる人間の脆さを伝えるために作られたみたい。
ジャスミンは自分で努力して人生を切り開こうとする力強いタイプの女性ではなくて、
美貌を武器にお金持ちの亭主を捉まえて、その男の財力でいい夢を見させてもらおうとするよくいる寄生虫のような女なんやね。

賢いようにも見せかけてるけど、感情的になると計算も出来なくなるお馬鹿さんで、
しっかり者なら旦那を追いこむんなら、慰謝料をガッポリと取ってから追いこむのに、
前後の見境なく警察にチクリ、そのために自分も一文無しになるのよ。

最後には悲しくて寂しくて救いのない状況になるけど、すべては身から出た錆なんです。

ところで、この映画のジャンル「コメディ」と分類されていたんですが、単なるコメディにしては笑えないので「ペーソスコメディ」としておきました。