昨日、井上ひさしの新作、蜷川幸雄演出の舞台「ムサシ」を見てきました。
この舞台、藤原竜也と小栗旬が初めてがっぷり四つで共演するため話題となり、前売り券が全日程分たった一時間あまりで売り切れてしまいました。
私めは何とかして見たかったので、コネを使って入手したわけです…(^-^ゞ
いやぁ~期待通り、見ごたえのある秀逸な舞台でした。
題名のように主役は宮本武蔵、こちらを藤原竜也が演じ、ライバルの佐々木小次郎を小栗旬が演じます。
2人は正味三時間以上ほぼ 出突っ張りで、W主演のようなものでした。
話は巌流島の決闘から始まります。実はその時小次郎は死んでなく、武蔵はとどめを刺さず、その場を立ち去るという意表をついた展開で始まるんです。
そしてその6年後、鎌倉の小さな寺に身を寄せている武蔵のもとへ、小次郎が訪ねてきて再び決闘を申し込むという話です。
ところが、そこは井上ひさし!人をくった感じで決闘までにはいろんなことが起こるわけです……
さて注目の2人ですが、藤原武蔵、小栗小次郎はそれぞれ適役で、まさに好勝負。その特長が良く出ていました。
まずは、藤原竜也。
この蜷川幸雄がその才能を見いだした時から早くも天才ぶりを発揮し、これまでキャリアを積んできました。
まさに早熟の天才舞台役者!この人の凄さを知るにはやはり舞台を見るべきです。映画やドラマではあまり作品に恵まれていないので…( ̄▽ ̄)b
今回の藤原は、堂々と横綱相撲で小栗の挑戦を受けて立つという感じでした。
蜷川さんに次のステップに進むように言われたようで、リアルな感情を出すために抑えて演技していました。
一方の小栗旬は、子役の頃から出ていて、ドラマや映画で脇役をやりながらキャリアを重ねてからブレイクしました。
努力を前面に出すなんてダサいことをするタイプではありませんが、人知れず努力を重ね力を伸ばしてきた秀才です。
蜷川さんもブレイク前からそこに着眼し、舞台に起用ししごいてきました。
小栗旬の凄いところは、映画やドラマで培ってきたリアルな演技を、舞台でもしっかりやれるところ。
舞台だからと変に大げさに演じたりはしないのです。
その自然体の凄さ。藤原も大いに認めているところです。
お互いの才能を認め合っている2人には今後も何度も共演して欲しいものです。
ところで今回の対決の勝敗ですが……
勢い良く斬り込んだ小栗としっかと受けとめた藤原…
引き分けで勝敗つかず…
でした。