一週遅れになってしまいましたが二夜連続で放送された「黒部の太陽」について……
なかなか見ごたえのある傑作でした。昨年から今年にかけて開局記念番組で大作ドラマが次々と制作され、秀作が多いのですが、この作品はその中でも上位に入るものでした。
視聴率も前編16・7後編18・6と大健闘でした!
大森寿美男の脚本も、河毛俊作の演出も優れてましたが、成功の最大の要因は、主役の香取慎吾の好演によるものと思います。
「もう慎吾ちゃんとは呼ばせないぜ!」という気概に満ちた堂々たる演技でした。
豪華キャストの中でも、全くかすまない存在感を示し、頼もしい工事現場の親方役を骨太に演じきっていました。
特に前編のクライマックスで、工事中の事故で死んだ自分の班の若者の死を、国家のために犠牲になったなどと言ってくれるなと怒りをぶちまけるシーンは、迫力の演技で思わず息をのみました。
この前も書きましたが、「新撰組」の近藤勇で大河ドラマの主役を一年経験してから、変わったなと思います。
演技が大人になったというか、幅が広がった感じがします。
それを今回もしっかりと証明してくれました。
役者としてはもう「慎吾ちゃん」とは呼べませんね。
来年公開の映画「座頭市THE LAST」では勝新やたけしが演じた座頭市を演じるそうですが、果たしてどんな座頭市になるのか楽しみになりました。