今日はスペシャルドラマの批評を…
TBS 1月11日(月)放送 「Wの悲劇」
主演―菅野美穂
脚本―岡田惠和
演出―佐々木章光
まぁ~、正月のスペシャルらしいというか、出演者が豪華でしたね、芸達者な実力派ぞろいで…
殺される和辻家の当主に津川雅彦(しかし、よく仕事してるなぁ~津川さん)
その妻に池内淳子。
ぐうたらでダメな弟に江守徹。
当主の姪に真矢みき。
その夫の大学教授に中村橋之助。
二人の娘に谷村美月。
コネだけで生きてるダメな当主の甥に成宮寛貴。
当主の主治医で実は愛人の子に香川照之。
赴任してきた目立ちたがりの警察署長に武田鉄矢。
事件の真相に迫る刑事に小日向文世。
と、こう並べるだけで、これでつまらなかったらダメでしょう…って感じですよね。
見る前、今さら「Wの悲劇」なんて古くさいミステリーやってどうするんだろう?って思ってたんです。
映画の「Wの悲劇」は私めの好きな映画ですが、あれは原作をうまく劇中劇にしてしまって、全く別な話にしてましたからね…
それを真似るわけにもいかないし、第一、主演が菅野美穂って!?
何の役やるんだ!?
まさか殺してしまったって叫ぶ女の子の役!?
そりゃ~ちょっとね…(汗)
さすが脚本が百戦錬磨のベテラン岡田惠和だけあって(そういえば菅野の出世作「イグアナの娘」を書いたのもこの人) …
菅野らしいユニークなヒロインが加えられ、俄然古くささが薄められ、今見てもそれなりに面白いものになりました。
何せ和辻家の娘とヒロインが出会うのが、コスプレのキャパクラのバイト仲間って設定で、ブルマ姿の菅野が後輩の谷村美月に説教をするんです!
この出だしから菅野の本領発揮で、苦労して育ち人生を生き抜くしたたかさを身に付け、上流社会のドロドロした人間関係に憧れる女という、一風変わったキャラをシレっと演じてみせるわけです。
そんなヒロインが娘に別荘へ招かれ、そこで事件に巻き込まれるというしくみ。
クセ者ぞろいの芸達者の中でも、しっかりヒロインたる存在感を見せるところは大したものだと改めて感心しました。
別荘にいる全員で強盗のしわざと工作するくだりは、やり方が稚拙で、それじゃ警察をごまかせないでしょう…って感じだったり、この別荘は使用人とかいないの?とかツッコミどころは多々ありましたが、
役者のメンバーが良いと、あまり気にせず見られるもので、
目を開けっぱなしの津川さん、大変だな…とか
夫を憎んでた池内さんの奥さんが何気に怖いな…とか
真矢と中村の夫婦って宝塚と歌舞伎の夫婦だ…濃いな~とか…
江守のろれつが怪しいけど大丈夫か?とか…
武田鉄矢が鬱陶しくてイヤなヤツをやると、ホントにリアルだな…とか
いろんなことが気になったり、楽しめて、なかなか面白いドラマでした。
最後は「坂の上の雲」では兄妹だった香川と菅野がペアになりましたが、久しぶりに抑えた演技の香川照之を見て、それが逆に新鮮でもありました。
たまには、こういう実力派が演技合戦するようなドラマを見たいものだと改めて思いました。
日本には良い役者さん、いっぱいいるんですからね…(^-^)b