ホント、香川照之って人はすごい役者ですよ。
これまで蓄えてきたものが今、爆発的に溢れ出てる感じ。
ハリウッド映画に出ても、間違いなく高い評価をされるはずです…
そんな香川照之の凄味が、今回はたっぷりと見ることができた回でした…
NHK 日曜20時
「龍馬伝」第3話
主演―福山雅治
脚本―福田靖
演出―真鍋齋
今回は福山演じる龍馬が、父の許しを得て、江戸への修行に旅立つ話。
父の知人(ピエール瀧)の案内に導かれ向かうんですが、弥太郎(香川照之)が偽の通行手形を作り、俺も連れて行けとついてきてしまうんです。
この弥太郎という男、自分の育ちの悪さや父がろくでなしあることを、とてもひがんでいて、それでいて頭は良く自尊心も強い…
という非常に扱いづらい人物。
武士の階級差別が激しく、その最下層にいる弥太郎は、土佐にいてもダメだとわかっていて、のし上がるために何としても江戸に行かねば…とそれはそれは熱く望んでいるわけです…
貧乏なので旅費などもちろん無く、すっかり龍馬の情けにすがる気でいる。
そのへんのあつかましさ…を生き生きと香川は演じます…
父の借金相手のヤクザたちにからまれた弥太郎を、龍馬が救ってくれたあと、宿に帰って龍馬が父と交わした約束を破ってしまったと悔やむ時…
布団からじっと目だけ出して、弥太郎はそんな龍馬を見てる。
この目だけの演技!
龍馬が寝たあと、龍馬が見ていた父から与えられた心得の書いた紙を盗み見る弥太郎。
ここまで息子を思ってくれる父がいる龍馬は恵まれてる!と羨ましくて仕方ない弥太郎。
このへんの弥太郎のジリジリした思いが、龍馬をなじるところで痛いほど伝わってきました。
ろくでなしの親父だけど、弥太郎の親父もいなくなった息子を心配して走り回ってるんですけどね…
そんなこと弥太郎は知るよしもないわけです。
いよいよ四国を出る時の番所で偽手形がバレてしまう弥太郎は、龍馬たちを巻き込まないよう他人と言い張ります…
意外とイイヤツ…!
でも、しっかり番所を脱出し、船に乗り本州へ向かう龍馬に、毒を吐いて見送ってました。
バイタリティー溢れる弥太郎というクセのある男を、香川がホント魅力的に演じてくれ、見ごたえのある回でした。
前回の記事でも書きましたが、それを受け止める福山雅治のしなやかな演技も、またしっかりしているから良いんですね…
決して食われっぱなしになっていません。
そこは大したものだなと思います。
次回からは江戸編。
今、私めがお気に入りの女優の一人、貫地谷しほりが登場します。
楽しみ…
(^-^)/